「1000円あったら何食べる?」
いつもの彼は、そう訊いてきた。彼の名はパワーショベラー金太郎。藤岡町でパワーショベル片手にプラチナ鉱脈を探しまくる月給労働者だ。月給を貰っている人間を英語でサラリーマンというのだが、それ以上は言うといろいろまずい。
ところで、1000円というのも実に微妙な金額だ。そもそも、1000円というのは税込みなのか税抜きなのか。この辺の表記がはっきりしない店も最近多い。税抜きなら明記しなければならないと現行法では定められているはずなのだが。
ところで、小学生の頃は、1000円は確かに大金だった。ビックリマンチョコですら、100円しなかった。まだ消費税なるものがこの国に存在しなかった時代の話だ。そして深夜営業の食い物屋など、屋台の夜泣き蕎麦くらいなものであった、らしい。ぼくおこちゃまだったからよく知らない。
しかし今は違う。下手に東京で店屋物など食べると、1000円では収まらない。先日ここはうまいと紹介したワンタン麺屋、あそこも入ったのが0時過ぎで深夜料金だったので、支払った金額は1000円超えた。1089円だったような記憶がある。かつてiAcnは言った。東京でうまいものを食べたかったら、2000円は必要だと。確かにそうなのかもしれない。
沖縄はまた違う。1000円出せば、だいたいいわゆる飯にアルコール類がつけられる。ぼくはおこちゃまだからアルコールは飲まないので、沖縄の飲食店で1000円出したことはほとんどない。琉大生におなじみ(だった)北谷のピザ食べ放題の店PizzaInですら、当時は980円だった。今は1000円超える。
愛知ではどうだろう。そもそも名古屋で飲食店にはいること自体そんなにないから、あまりよくわからない。が、1食1000円超えるようならそもそも外食しない。ポリシーと言うより、本能的に。
しかし、つい最近、ぴったり1000円で食事をしたことがある。ロッテリアの、けものフレンズ満足セットだ。バケツポテトにクリアファイル3枚と絶品バーガーセットの食券がついて1000円という、まあ要するにクリアファイル3枚を1000円で買うというコンセプトのものなのだが、とりあえずバケツポテトはそのまま店内で食べた。飲み物が到底足りないので、Lサイズの飲み物を追加で注文した。280円だったと思う。つまり、結局1000円超えてる。
外食で1000円というのは、もうこの国では難しい話なのかもしれない。500円前後か、1000円超えるか。どちらかだ。まさに格差社会の現れである。健全な中間層が消滅しているのだ。
ところで、外食の事ばかり考えていたが、別に材料買い込んで家で料理したっていい。閉店間際の食品スーパーだと、総菜以外にもたまに肉が安売りしていることがある。牛カルビが2人前分くらいを400円切る値段で売っていたりする。これに、パック野菜と豆苗。これで200円だ。最近野菜の値段も高いが、それでも200円あればニラとモヤシと豆苗くらいは調達できる。それとトマトジュース。イオンなら170円で買えるが、普通は200円位する。これに、牛脂(タダ)と高級そうな袋ラーメン(だいたい120円)を追加。合計920円。最近はスーパーは税抜き価格表示なので、消費税8%追加で、994円。これを、家に帰って、鍋にぶち込む。野菜が先だ。豆苗は短めに切る。水をほんのわずかだけ張り、沸かして牛脂を溶かす。牛脂が溶けたらラーメンスープとトマトジュースを鍋にぶち込み、牛肉を1枚づつ野菜の上に載せ、蓋をする。時間は好きなだけ。柔らかく煮込みたければ時間をかければいいし、肉を半煮えにしたいなら5分程度でいい。当然電気やガス代がかかるが、まあ6円以内で収まるだろう。
これで1000円だ。
ちなみに切った残りの豆苗はカップ焼きそばの容器に入れて、トマトジュースの容器を洗った水を入れておくと1週間くらいでまた生えてくるが、これは予算外ということにする。
ここまでで、1641字。スマホ1画面には収まらないし、A4用紙1枚に収めるのが精一杯か。しかしここにはプリンターも無い。シールズ御用達ネットプリントは、西高蔵駅まで行かないと、無い。
折角書いたこの文章を、私はパワーショベラー金太郎にどう伝えるべきだろうか。