けもシコのフェね汁

 これに色を塗って貰おうと、いろりさん(@irorikigaku)にお願いしたのですが、断られました。

けもふれむかしばなし~ももたろう~

 むかしむかし、ある水辺でサーバルちゃんとカバさんがお水を飲んでいました。
「お水を飲みに来たの!」
「言われなくてもわかってますわよ」
 すると水辺の上の方から、おおきなかばんがどんぶらこどんぶらこと流れてきました。
「水辺の上の方って、どっち? どっちかな?」
「掛け軸のかけてある方が上ですわよ」
 そんな会話している間に、かばんは二人の足下に流れ着きました。
「これはみごとなかばんだね!」
「変わった泳ぎ方をしますのね」
「いえ…溺れていただけです…」
 かばんの下にはヒトがぶら下がっていました。サーバルちゃんはヒトにかばんという名前を付けようとしました。
「待って。この子の後ろに見事な桃が」
「ほんとだ、立派な桃がある! すごーい!」
「こんなに立派な桃があるのですから、桃太郎という名前は如何でしょう?」
「でも反対側に何か生えてるよ」
「生えてるからこそ太郎なのですわ」
 こうしてかばんちゃんは桃太郎という名前にされてしまいました。

 その頃ジャパリパークは鬼の圧政に苦しんでいました。
「はかせ達が妙にグルメになって、簡単にいろいろ教えてくれなくなったのですわ」
「それは良くないですね。ぼくが一言言ってきます」
「たのしそう、私もついていくよ!」
「楽しいことでは無いから、サーバルはここに残っていなさい」
「えー」
「でも、ぼく1人ではやっぱり不安です」
「では、途中で誰かお伴を見つけなさい。サーバルよりは役に立つでしょう」
「えー!?」
 サーバルちゃんはたいそう不満そうでしたが、カバさんは意に介さず、かばんちゃゲフゲフン桃太郎にキビダンゴを持たせて旅立たせました。

 桃太郎が歩いていると、イヌ科のフェネックさんに出会いました。
「かばんさんかばんさん、かばんさんのお腰をくれないか?」
「ああ、お腰に付けたキビダンゴですね。いいですよ」
「違うよー。欲しいのはキビダンゴじゃなくて、かばんさんのお腰だよ」
「ええっ!? 意味がわかりません」
「じゃあ、わからせてあげるよー」
 フェネックさんは桃太郎を裸に剥いて上に乗りました。これ以上は書けません。

 こうして、桃太郎はフェネックさんのものになりました。
「うっ…うっうっうっ…」
「まあ、かばんさんにも面目ってもんがあるだろうから、表向きは私がかばんさんの家来ってことにしておいてあげるよー」
「ううう…では図書館…じゃなかった鬼ヶ島までついてきて下さい」
 フェネックさんは桃太郎についていくことになりました。

 桃太郎一行が歩いていると、今度はサルに出会いました。
「うっうっうっ…私もう、これ以上男性のおかずにされるのはイヤです…」
「あの、おかずがいやなら、ジャガーさんに頼んでごはんにして貰ってはどうでしょう」 キンシコウとフェネックは沈黙しました。そして桃太郎が寒いことを言った罰として、桃太郎を裸に剥いて代わる代わる上に乗りました。これ以上は書けません。
「うっ…うっうっうっ…」
「かばんさーん。かばんさんは一応知的なけものという設定なんだから、あんまりアホなこと言っちゃ駄目だよ~」
「知的なかばんさんと私の子…大事に育てます…」
「この子はこの子で、何かイっちゃってるねえ」
「ああそうです! 生まれて認知して貰う前に逃げられては大変です! 私、しばらくかばんさんについていきますね」
「うわぁ…」
 こうして、キンシコウさんが桃太郎一行に加わりました。

 桃太郎一行が歩いていると、今度は鳥のフレンズに出会いました。
「♪わぁたぁしはぁ~、キ~ジ~♪お腰に付けたキビダンゴがぁ~欲しいのぉ~♪」
「いや、あなたトキさんですよね」
「いくらキジの数が減ってるとは言っても、トキの方が希少価値高いと思うよ~」
「ところでキジも鳴かずば打たれまいという言葉をご存知ですか?」
 散々な言われようにトキさんは機嫌を損ねました。機嫌を直す為に、フェネックとキンシコウと一緒になって桃太郎を裸に剥いて次から次へと上に乗りました。これ以上は書けません。
「あの…機嫌損ねるようなこと言ったの、キンシコウさんだと思うのですが…」
「そうだったかしら?」
「トキさんは絶滅危惧種だからね、子孫を残す為には仕方がないね」
「そうです。ちなみにキンシコウも絶滅危惧種です。かばんさんと子孫を残すのは種族としての義務なのです」
「キンシコウさんはさっき子種貰ったじゃ無いですかー」
「それを言ったらフェネックさんこそ。というか、そもそもフェネックさんは絶滅危惧種ではないですよね?」
「それ以前に、いつも追いかけていたアライグマはどうしたの?」
「アライさんは失脚して島流しにされちゃったよ」
「失脚って…」
「ここも島なんだけど」
「あの、時間が無いので、そろそろ鬼ヶ島に行きませんか?」

 ジャパリ図書館…ゲフゲフン鬼ヶ島に到着した桃太郎一行は、はかせとじょしゅの鬼のような要求を難なくこなし、カレーで黙らせました。
「知ってますか? ココイチの本社は愛知県一宮市にあるんですよ」
「そんなこと言われても豊橋と区別の付く人がどれだけいるのかしら」
「あと、ココイチのカレーのルウは今はハウス食品が提供してるんですよ」
「だから昔と味が違うのね」
「どうして私たちは世界名作劇場になれなかったのかしら」
「忖度に負けてるようじゃどうしようもないよ」
「KADOKAWAは一体どこの忖度をしたのかしら」

 こうしてパークに平和が戻りました。
 桃太郎は3人の子宝に恵まれ養育義務が発生した挙げ句サーバルちゃんの猛烈な嫉妬心を買うという、大変幸せな人生を送りましたとさ。めでたしめでたし。

サンマ

「あらーいサンマぁたやっちまったねぇ?」
ドアの向こうでハサミをかちかち鳴らしフェネックが急かしてくる。
「やめるのだフェネック…」
アライさんは怯えていた。怖い。ちょっとやらかしただけなのに。
「アライさーんトイレを占領したらだめだよー。早く出ないとこじ開けちゃうよー」
鍵穴にハサミが入る音。アライさんは恐怖で漏らしそうだった。

※Twitterに投下したサンマbot実験用SSを一部改稿