津島善子生誕祭 ですが、先週善子ママ のまんがを描き忘れたので、今日アップすることにします。
よしこママも走駝紗羽も、どっちも教師なんですよね。
雨宮静久の朝は早い。朝はスズメが鳴き出す前に起き出し、グラノーラで朝食を摂る。
陰キャだから遅くまで寝ているというのは偏見だ。陰キャは陰キャなりに忙しい。
朝食は自分で用意する。少し待てば家付きのメイドがトーストくらいは用意してくれる。だが、朝食がグラノーラなのも理由がある。静久のように普段運動していないと、トーストに目玉焼きとソーセージ、のようなありふれた朝食を毎日摂っていると肥満になってしまう。そういう理由を付けて、静久は本来の朝食を断っている。
グラノーラは良い。牛乳をかければ必要な栄養素はほぼ取れる。ドライフルーツが入っているので味も悪くない。器に盛って牛乳をかけるというスタイルに飽きれば、ヨーグルトに賭けて食べるという方法もある。米飯にかけるとイマイチなのは残念なところだ。
そんな事を考えながら、静久はスプーンでグラノーラを口に運び、ひたすら咀嚼していた。その様子は正に齧歯類の如くであり、写真か動画でも撮って静久の執事晴丘空に見せれば、たいそう面白いことになるかもしれない。
だが、今ここに空はいない。まだ起きていないからだ。お嬢様が起床しているのに執事が寝ているとは何事かと思うかもしれないが、静久がわざと空がまだ寝ている時間に起き出して朝食を摂っているので、あまり文句は言えない。
そう。空がまだ起きていない、と言うところが本当のポイントだ。
静久は朝食用のグラノーラを、ひとつまみほど小脇の袋に入れて、席を立った。そして階上の寝室エリアに行き、部屋の扉を開けた。
「グラノーラは鳥の餌にもなる」
そう言いながら静久は、窓辺にグラノーラを撒いた。
静久が窓から離れて様子を窺っていると、餌につられたスズメが数羽飛んできた。チュンチュンと鳴いているスズメを確認し、納得したように頷くと、静久はおもむろにベッドに横になった。
静久の名誉のために言っておくが、決して二度寝をしようとしているのでは無い。
ベッドに横になりながら、静久はスズメの鳴き声を楽しんでいた。グラノーラがよほど嬉しいのか、眠っていても目が覚めるくらい、スズメは鳴いていた。
そして、静久の隣からかすかな声が漏れるのが聞こえてきた。
「ん……んんん、もう朝か……。スズメが鳴いている」
そう呟いた空が顔を横に向けると、そこには頬を赤らめた静久がいた。
「おはよう空。……朝チュンだな」
空はばっと飛び起きた。驚いたスズメは、一斉に飛び立ってしまった。
「お、お嬢様……? 俺達は一体」
「動揺するのも無理は無い。私と朝チュンを迎えてしまったのだからな。だが安心しろ。空は悪くない。祖父にもちゃんと伝えておこう、これは合意の上の行為だと」
空は動揺のあまり返答を返せず、両手を顔や髪に這わせまくっていた。
そこに、いつの間にか起床していたメイド長が入ってきた。
「何が合意の上ですか。とりあえず出て行ってください」
メイド長はそう言うと、漫画のように静久の襟首を掴んで廊下に放り出してしまった。
そして空の部屋の扉は閉じられ、中からは執事と言えどもこのようなことがないように注意を云々と空を説教するメイド長の声が聞こえてきた。
静久は扉の外で、袋に少し残っていたグラノーラをかじりながらじっとそれが終わるのを待っていた。
露崎まひるは激怒した。必ずやあの颯爽自在の棗恭介を屠らねばと心に決めた。
まひるに棗鈴のことはわからぬ。まひるは病的なまでに世話好きの舞台俳優である。だが、あの猫の如き同級生神楽ひかりのことには愛城華恋以上に敏感であった。
ひかりの身辺に異常を検知したまひるは棗恭介の家に忍び込んだ。彼の部屋を探っていると、神楽ひかりの写真が貼られたアルバムを見つけた。まひるは怒りと嫉妬で目が血走った。彼女はアルバムを引き裂き、写真を破り捨てた。
その時、ドアが開いた。棗恭介が帰ってきたのだ。まひるは慌てて隠れたが、すぐに見つかってしまった。
「お前、何してるんだよ!」
棗恭介はまひるを問い詰めた。
「あんたなんか大嫌い!棗鈴なんかもっと嫌い!ひかりちゃんが一番可愛い!」
まひるは叫んだ。
「何を言っている。俺が好きなのは理樹だ。神楽ひかりなんて眼中にない」
恭介は反論した。
「じゃあ、この写真は何!?」
まひるはアルバムを突きつけた。そこには、猫を抱いた棗鈴と神楽ひかりが一緒に写った写真が大事に貼ってあった。
「ああ、それは、俺の妹だ」
「妹!? ひかりちゃんがあなたの妹だとでも言うつもりなの? ああ、この前ようやく、ひかりちゃんを自分の娘と言い張る変なおじさんを撲殺して山に捨ててきたばかりなのに。今度はひかりちゃんを妹だと言い張る輩が現れたの!?」
「お前は一体何を言っているんだ」
激高するまひるに恭介は狼狽した。
「あのな。その写真は俺の妹がどこかで偶然知り合って友人になった女の子と一緒に撮ったものだ。妹は友人が少ない。外で友人を作ってくることなど、この10年来無かったことだ。俺は感動した。是非その子を兄にもきちんと紹介するようにと説得した。何故か最初は変態扱いされたが、しぶしぶ俺の所に連れてきた。飼い猫の一員に加えようと思うとか言い出すから、友人を飼い猫扱いするのはよくないと聡し、友情の証として2人で猫を抱いた写真を撮った。大事な妹の大切な思い出の品だから、丁寧に保管していた。そういう次第だ」
「そうなの……」
まひるは興奮状態が少し落ち着き、自らの早とちりから余計な事を言ってしまったことを心の中で恥じていた。
「そうだ。ああ、連れてきた子の名は確かに、神楽ひかりと言ったな」
「ひかりちゃんに……私の知らない友達……」
落胆するまひるを前に、恭介はどこか遠くを見るような目で語った。
「子供はいつか親の元を巣立つものさ……。鈴も、俺の手助けが無くても電車に乗ってブラックサンダーを買いにいけるまでに成長した。そう、その帰りにひかりちゃんに会ったのでこれは凄い偶然だと言っていたな。土産のちくわを俺に渡しながら」
「え? 土産? ちくわ? どこまで行ってたの?」
「豊橋」
「ええ……。じゃあまさか、電車って」
「当然新幹線だ。新幹線ひかり号だ。魔の静岡区間を乗り越えられるだけの精神力は、まだ鈴には無い」
「わざわざブラックサンダーを買いにひかり号で豊橋に行くって、それって成長したの?」
「成長したさ。少し前まで、自動券売機のある駅で駅員から離れた自動改札機しか通れなかった子だぞ」
「新幹線も自動改札で自動券売機で切符買えますけど」
「なにっ」
恭介はしかめっ面になった。
「それにしても。ひかりちゃんもどこ行ってるの」
まひるもしかめっ面で手を額にやった。
「まあそう言うな。子供の遠出は基本的には成長だ。喜ばしいことじゃないか」
「子供……では、無い、ん、ですけど」
「そうなのか? ひかりちゃんを見たとき、俺もこの子を娘にしたいと思ったぞ。だから、同類なのかと思ったんだが」
「今、なんと?」
「いや、だからお前と俺はひかりちゃんを娘にしたいと思ってしまった同類なのかと。ああさっき、同類のおじさんがいたとか言っていたな。いや待て、お前、そのおじさんをどうしたって?」
「やっぱりあなたも、そういう邪な目でひかりちゃんを見てるんだ……」
「いや、邪では無い。そう、これは人道上の観点から当然に沸き起こる本能だ。ヒューマニズムだ」
「そうやってわけわかんないこと言う……そういう人からひかりちゃんを守らないと」
そう言ってまひるは、重量が100Kgはあろうかというメイス風のバトンを懐から取り出し、恭介に向けた。
「お掃除しなきゃ」
「ま、待て。掃除は間に合っている。こう見えても俺は家事の出来る男だ」
「自分を掃除出来てないでしょっ!」
そう言ってまひるはバトンを振り上げた。
恭介は外に逃げ出し、まひるはそれを追った。地は割れ、逃げ惑う恭介の悲鳴が街中に響き渡った。
※尚、AIが生成した文章を、fantiaの方にアップしている。興味があったら入会してご覧になっていただきたい。
本日は私の娘であるところの神楽ひかりの誕生日です。
社会と政治が悪いせいで私には現実の娘はいないのですが、こうして2次元の娘の誕生日を祝えるのは不幸中の幸いと言えるでしょう。
先日、ウマ娘は子供のいない独身男性が娘の運動会を観に行くゲームだ、という話を聞きました。
共感、という言葉をイタいほどに実感致しました。イタいほどに。
子供が欲しくても作れなかったという人は大勢います。
そんな人達にとって、岸田政権が打ち出した月5千円の児童手当増額など、一体何の意味があるでしょうか。
安定した雇用と会社に束縛されない時間が無ければ、子供を作ることも育てることも出来ません。
それが確保出来ない、否、許されないとすら言っていい状況がもう20年も続いています。
故に、社会と政治が悪い、と言っているのです。
改めて私の人生を振り返り、どうすれば現実の子供が出来ただろうか?
と考えますと、女性を騙して妊娠させるか、未成年を騙して妊娠させるか、社会と政治を変えるか、のいづれかしか思いつきません。
勿論、まともなのは社会と政治を変える、という方法ただ1つです。
子供が欲しいのに作れない、そんな社会を改める。そういう政治にしていく。そんな時代の元年にしていきたいと存じます。