勝手に代筆Twitter小説_去年の花火は綺麗だったで始まり満足そうな顔で頷いたで終わる物語


去年の花火は綺麗だった。
心の中の花火は、いくらでも綺麗に出来るから。
夏の思い出が無い。あの日そう言った彼女に贈った花火が打ち上がるところを僕は見ていない。
花火は所詮化学的炎色反応に過ぎない。実利をより求める人間がそれを知っていれば、花火は特に嬉しくもないだろう。
そもそも、思い出というもの自体が、実利とは無縁の代物だ。
花火と一緒に買ってきたこんがり焼けたフランクフルトソーセージ、それを渡したときの彼女の顔を僕はまともに見られなかった。
だけど信じたい。きっと、その時だけは、きっと彼女は満足そうな顔で頷いた。
(254文字)


---

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です