Campus Kanon
12:調査
 
祐一「よ、舞。おはよう。」


「・・・おはよう。」

祐一「どうだった、その、職場の方。一日無断で休んじゃっただろ?」


「・・・・怒られた。」

祐一「・・・そうか。」

「・・・ポケットにやたら物を入れるなって。」


祐一「あ、・・・そういうことね。」

正直、ほっとした。舞の所為ではないとは言え、無断欠勤したのだ。
下手すればクビなのではないかという危惧が、正直あったのだ。

祐一「クビになってたら・・・ぶっ殺してやったところだぞ・・・」


「・・・誰を?」

誰を。そう、誰を恨めばいいんだ。

思案に暮れながら俺は、斑模様の外を見た。
憂鬱な雨は、月が変わってもまだ降り続いていた。

あの逮捕劇。
それは、とある匿名の告発に端を発すると聞いた。
巧妙に数回に分けて、「事件」

の内容を送られる。当初は無視していた捜査現場も、上からの指示で動かざるをえなかった。

送られる、真偽の区別の付かない資料群。だが、そこから読みとれる犯人像は、舞に酷似していた。それだけがはっきりしていた。
そして歩調を合わせたかのように、舞の銃刀法違反容疑での告発。
こうして冷静に全容を見つめてみると、改めて俺達がおとしめられたという疑いの念は強くなる。しかも組織的だ。
誰が。何のために。
俺達をおとしめた連中。 佐祐理さんを攻撃する連中。
それは、同じ勢力なのだろうか。

それを裏付ける物はなにもない。状況証拠ですら不十分だ。
憂鬱な事態も、何らの解決も見せないままだった。

祐一「何から調べればいいんだ・・・・。」

意気込みは、早くも空回りを見せていた。
 

祐一「ということで、協力してくれ香里。」


香里「なにが『ということで』なの。」

祐一「細かい理由は後で言う。大体の事はわかるだろ。だけど俺一人じゃ、どうも埒があかん。ここは一つ・・・」


香里「・・・・・・。」

祐一「・・・な、香里。」


香里「できないわ。」

祐一「そうかそうか。て、え?!」

その答えは予想外だ。

香里「・・・ごめんね。」


祐一「・・・・・・・。」

困った。断られるなんて思ってなかったから、香里を中心としたプランを既にいくつも練っているところだったのに・・・

祐一「・・・なんか、不都合あるのか?」


香里「・・・・・・。」

祐一「もしかして・・・」

以前あった「何か」

と関係あるのか?と訊こうとして、思いとどまった。
あれは、もう訊かない約束なのだ。

香里「ごめんね。」

再び香里が繰り返す。
俺の顔は、よほど困った顔をしているのだろう。

香里「・・・ねえ相沢君。新濃さんに頼んでみたら?」


祐一「え・・・・?!」

冗談じゃない。

祐一「なんであんな変態に。」


香里「相沢君が思ってるほど、役立たずじゃないわよ。」

そりゃあ、そこら辺の紙くずよりは役に立つだろう。
だが、あいつに頼むことは、俺のプライドが・・・・

 


 

祐一「と思ってるのに、なんで俺はここにいるのだ。」


新濃「なんの用かね相沢君。この私に相談かね。」

祐一「・・・・・・・。」

仕方なく、とりあえずあったことだけを手短に話す。

新濃「・・・・なるほど。そいつは災難だったな。」


祐一「あんたの口から、そんな人を気遣うような台詞が聞けるとは思わなかった。」

新濃「ばかな。私はいつだって、君たちのことを心配してるさ。」


祐一「やめてくれ気持ち悪い。」

新濃「何を。気持ち悪とはなんだ、失敬だろう。」

・・・こんなところで、くだらない押し問答をしている場合じゃない。

祐一「それでだな。俺は、今回の逮捕が、仕組まれたものな気がしてならないんだ。」


新濃「誰に。」

祐一「それはわからない。」


新濃「・・・でも、目星をつけている連中はいる、と。」

祐一「勘がいいな。」


新濃「それはきっと、私も同じ事を思っているからだよ。」

祐一「げ。」


新濃「・・・君はつくづく失礼だな。」

祐一「気にするな。でだな、俺としては、連中がやったという証拠を」


新濃「掴んでどうする?」

祐一「え・・・?」

新濃「証拠を片手に、自治会室に殴り込みをかけるか?それとも、裁判でも起こすつもりか?」

裁判。一瞬、美坂弁護士の顔が浮かんだ。

新濃「裁判は、金も時間もかかるぞ。」

俺の考えを読んだかのように、新濃が言葉を発する。

祐一「・・・・・・・。」

どうすればいいんだ。確かに、証拠を掴むことばかり考えていて、その先のことなど考えていなかった。

新濃「結局のところ、なにもしない方がいいんだよ。」


祐一「なにもせず・・・でもそれじゃ、俺達報われないじゃないか。」

新濃「連中だって所詮は常人だ。こんな正道からはずれたことをし続けていれば、必ずこける。それを待つんだ。」


祐一「ひたすら待ち続けろって言うのか。」

新濃「なにもせずじっと耐えるのも、策のうちだぞ。」

確かに、こいつの言うことは正しいかもしれない。
でも。
ずっと耐えて、待ち続けて、只それだけなんて、それでは・・・

祐一「運命に身を委ねて漂っているのと、同じじゃないか・・・・」


新濃「そうだな。」

いやだ。そんなのは、いやだ。何故だかわからないけど、嫌だ。
ここは耐えるのが正解だろう。頭ではわかる。でも俺の性格は、そんな行動を許さない。
自滅的な性格だな。それは直せと、舞に教わったはずなのに。
・・・そういえば、あのころの舞が、今と同じような状況だったな。
舞というか、俺達三人が、か・・・

祐一「・・・・・・・。」


新濃「どうした。」

祐一「いや・・・。高校の頃にもさ・・・似たようなことがあったんだ。」

あのとき。あのときはどうしただろう。
ずっと、嵐が過ぎるのを待っていた。
それだけだっただろうか。何かあった気がする。
そう、久瀬。最終的にあいつが手を引いたから・・・

祐一「久瀬、か。」


新濃「久瀬?何者だ?」

祐一「倉田後援会の会長の息子だ。俺と・・・同学年だったんだ。」


新濃「ほう。」

俺は何故か、その久瀬と話してみたいという衝動に駆られていた。
アドバイスが得られるなどとは思えない。だが、何らかのヒントくらいは得られるかもしれない、そう思えた。

祐一「ええと、名簿名簿・・・・」

久瀬に電話をかけることに決めた俺は、卒業時に貰った名簿を引っ張り出した。

新濃「そうやって、自宅に置ききれない荷物を部室に持ち込むのは、止めて貰いたいね。」

祐一「あんただって私物持ち込んでんだろ。」


新濃「私の場合は、部にとって役に立つものしか持ってきていない。」

弁明する新濃をよそに、俺は久瀬の電話番号を捜していた。

祐一「く、く、く・・・お、あった。・・・・・ん、まてよ。」

ここに書いてあるのは、卒業時の久瀬の住所と電話番号。いわゆる実家のだ。
だが奴は、確か東京の大学に行ったはずだ。
夏休みだから戻っているかもしれないが、もしかしたらいないかもしれないのだ。

祐一「というか、こんな状況だからな・・。向こうにいるんだろうな・・・・。」

ちなみに俺は、東京の久瀬の連絡先は知らない。

祐一「なんてこったい・・・」


新濃「お困りの様子だな。」

祐一「ああ、見ての通りだ。」


新濃「私でよければ相談に乗ろう。」

祐一「あんたなんかになにがわかる。」


新濃「わかるかどうかは、訊いてみなくちゃわからんだろう。」

祐一「・・・久瀬の東京の連絡先。それがわからないんだよ。」


新濃「なんだそんなことか。」

祐一「そらみろあんたにはわからない事じゃないか。・・・・て、え?」


新濃「同学年ということは、君と同じ高校で今年の卒業だな?」

祐一「あ、ああ。ちなみに早稲田に行ったんだと聞いてる。」


新濃「上等だ。」

そういって新濃は、第二部室の中に入っていった。

 

 

新濃「おまたせ。」

15分ほどして戻ってきた新濃の手には、紙切れと黒電話があった。

新濃「これが久瀬君の下宿先の電話番号だ。」


祐一「・・・どうやって調べたんだ?」

新濃「知りたいかね?」


祐一「・・・・やめておく。」

知らない方がいいような気がした。

祐一「・・・で、このレトロな電話機はなんだ?」


新濃「電話、かけるんだろ?」

祐一「・・・・・使っていいのか。」


新濃「ここで駄目と言ったら、君は怒るだろう。」

祐一「俺でなくても、怒る気がするな・・・・。」

何故黒電話なのかは、訊かないで置くことにした。

じーこ、じーこ、・・・・
慣れないダイヤル回転を繰り返すと、呼び出し音が鳴り出す。

暫くして、男の声がした。

久瀬「もしもし、久瀬です。」


祐一「ち、繋がっちまったぜ・・・・」

久瀬「・・・・誰ですか?」


祐一「お前が昔捨てた男だ。」

久瀬「・・・・そ、その非常識な物言い・・・まさか、相沢か?」


祐一「ご名答。さすがは元生徒会長だな。」

久瀬「なんのようだっ!」


祐一「冷たい言い方するなあ。俺と君の仲じゃないか。」

久瀬「・・・切るぞ。」


祐一「まあまて、話くらい聞け。」

久瀬「・・・・何だ。」


祐一「佐祐理さんのこと・・・・かな。例の事件、知ってるんだろ?」

久瀬「・・・ああ。おかげで俺は、東京にカンヅメだ。」


祐一「それでだな・・・。佐祐理さん、大学で攻撃されてるんだよ。」

久瀬「そうか。」


祐一「思えば難儀な人だよな・・・・。高校で迫害されて、大学でもまた攻撃されて・・・。」

久瀬「お前・・・・昔の話を蒸し返すために電話したのか?」


祐一「いや、そんなこと全然ない。」

久瀬「じゃあ何だ。」

祐一「お前・・・・会長やってた頃、舞のこと攻撃してたよな。」


久瀬「しっかり蒸し返してるじゃないか!」

祐一「気にするな。でだな、お前結局、手引いたよな。そのときの心境とか、聞かせてくれ。」


久瀬「・・・・・・。」


久瀬は、あまり多くを語らなかった。
だが、その数少ない言葉の中に、俺の心に染みついた言葉があった。
 久瀬怖かったんだよ。お前らみたいな非常識な人間が・・・

祐一「・・・誰が非常識だ。」

新濃「少なくとも君は、非常識だと思うね。」


祐一「あんたにだけは言われたくない。」

新濃「褒め言葉と受け取っておくよ。」

褒め言葉、か。確かに、非常識は強い武器になるみたいだからな・・・・。

新濃「お、行くのか。」


祐一「ああ。良い考えかどうかはともかく、とりあえず考えが浮かんだんでな。」

新濃「そうか。・・・まあ、好きにやれ。」


祐一「ああ。それと、あんたにはちょっとだけ感謝しておくよ。」


そういい残して、俺は部室をあとにした。
 
 




13:超然主義



正門道と裏門道の交差点、大学キャンパスのほぼ中心部に、噴水は位置している。
噴水を中心とした広場は、昼休みの学生の憩いの場所となっていた。

そしてそこには、ハンドマイクを片手にアジ演説を叫ぶ一団の姿があった。

自治会「我々が名指しの批判を裂けているのは、彼女もまた同じ学生であり、我々と意志を共有できると考えるからだ。彼女が悔い改め、全学生に向けて謝罪を行うなら、我々は直ちに批判を止めて良いとすら考えている。しかるに・・・・・

祐一「よお自治会のみなさん。精が出るねえ。」


自治会「ご声援感謝します。・・・・・あ?

佐祐理「あははーっ、いつもご苦労様ですねーっ。」


自治会「・・・・・・・・げ。」

「・・・お疲れさま。」


なでなで。

自治会「・・・・・・・・・・・。」

佐祐理「それじゃ、がんばってくださいねーっ。」


 
 
 
 

祐一「ふう。やれやれ、だぜ。」

教室に入った俺達は、早速今作戦の成果の検証に入った。

佐祐理「あんなんで、いいんでしょうか?もう少し褒めても良かったんじゃ・・・」

祐一「やりすぎると褒め殺しと受け取られかねないからな。まあ、そうなったところで支障はないけど。」

それ以前に、根本的に褒めたくなど無い連中だ。
にもかかわらず、あんな応援台詞を吐くのは、わけがある。
いや、わけなんて大仰なものじゃないかもしれないが・・・・

「・・・明日もやるの?」


祐一「明日も演説やるとは限らないからな。そのときは、別の行動に移る。
  ・・・佐祐理さん、例の物を」


佐祐理「はい、毎日持ってきます。」


翌日。演説はやっていなかった。

俺達三人は、あらかじめ決めてあったスケジュールどうり行動に移る。

中心街を抜け、大学キャンパスの西端に向かう。その、森と接する地区には、サークル棟がある。
建物の三階部分を占拠する一団。県大統一自治会。

意を決して俺は、二人に行動を促す。

祐一「乗り込むか・・・・・・。」


 
 
 

 

佐祐理「みなさーん、こんにちわーっ。」

自治会1「何のよう・・・・あ。」

祐一「おーっ、広い部屋じゃないかーっ。」


「・・・眺めもいい。」

自治会2「・・・・何しに来たんだ。」

祐一「いやなに、お昼時だからな。飯ここで食おうと思って。」

自治会2「な・・・・!」

「・・・ここ、あいてる。」


佐祐理「じゃ、ゴザ敷きますねーっ。」


祐一「ゴザってのがまた風流だよなあ。」

自治会3「おい待て、こんなところで飯食っていいなんて言ってないぞ。」


祐一「あれ、言ってなかった?どうだっけ佐祐理さん。」


佐祐理「さあ?佐祐理はよく覚えてません。」


「・・・私も覚えてない。」

祐一「・・・ま、いいか。」


自治会3「よくねえよっ!」

祐一「カリカリしてんなあ。腹減ってるんだな。どうだ、一緒にメシでも。」


自治会3「だ、だれがっ・・・・」

祐一「そうか?じゃあ、俺達だけで食ってるから。」


佐祐理「いただきまーすっ」



 

午後の教室。

祐一「佐祐理さん、今日の弁当はうまかったぜ。」


佐祐理「ありがとうございます。」

祐一「全く、こんなうまい弁当食おうとしないなんて。連中どうかしてるぜ。」


「・・・食べられたら減る。」


佐祐理「あはは、そうだよね。舞はこの方がいいよね。」

香里「なあに、お昼ごはん談義?」


祐一「おう、メシ食うに最高の場所を見つけたんだ。」

香里「どこ?」


祐一「自治会室。」

香里「・・・・・・・そう。」

祐一「明日から、香里も一緒にどうだ?」


香里「遠慮しておくわ。」


 

その日も、演説はないようだった。

祐一「よぉーっす」


佐祐理「おじゃましまーす」


「・・・ここ、あいてる。」

自治会2「・・おい、また来たぜあいつら。」


自治会3「排除するか?」


自治会1「・・・無視しろ。騒ぎを大きくするのが狙いかもしれん。」

祐一「どうだぁ?今日こそ一緒に食べないか?」

自治会2「・・・・・・・。」

佐祐理「遠慮しなくていいんですよーっ。ほら、たくさん作ってきましたからーっ。」

自治会3「・・・・・・・。」

祐一「もう、みんな遠慮深いなあ。ほら、そこのかわいい彼女、ご一緒しない?」

自治会4「え、え、え?」


自治会1「・・・西谷、無視しろ。」

祐一「そおかあ、西谷さんって言うのか。さあこっちおいで。」


西谷「あ、あの・・・・・」

佐祐理「こんにちは西谷さん。さあ、お好きなのどうぞ。」


西谷「・・・・・・・。」

祐一「ほら、このタコさんシャウエッセンなんかどうだ?これも佐祐理さんが作ったんだぞ。」


西谷「え、そ、そうなんですか。凄いですね・・・」


自治会2「・・・おい。」

祐一「お、なんだ。悪いがこの卵焼きは俺が食うぞ。」


自治会2「お前じゃない。・・・・・西谷。」


西谷「は、はい・・・」

祐一「おい待て、食事中だよ。どこ連れていく気だ?」


自治会2「・・・・・・・。」

祐一「・・はあ、強引な男だなあ。西谷さん、またね。」


西谷「は、はい・・・」


自治会2「無視だ!」


 
 
こうして、俺達の日課が始まった。

演説の行われている日は、噴水広場に行って声援を送る。
もちろん、彼らとしては非常にやりにくいことだろう。
非難している当の相手が、目の前で笑って自分を応援しているのだから。
心なしか、演説に切れが無くなっているようにも思えた。

演説のない日は、もちろん自治会室で昼食会である。

佐祐理「あははーっ、こんにちわーっ。」


祐一「西谷さ〜ん、ご飯食べよぉ」


西谷「あの・・・・」

佐祐理「今日はブリの照り焼き入れてみました。ほら、西谷さん魚好きって言ってたから。」


西谷「あ、ありがとうございます。」

当初は西谷さんを引き込むと連れ戻していた執行部員も、そのうち手出ししなくなった。
俺達に対して完全な無視を決め込む方針らしい。
だが

祐一「なあ。他の人たちもこっち来るよう、説得してみたらどうだ?」


西谷「え?あ、でも私、新入りですから・・・」


佐祐理「一年生ですか?じゃあ、佐祐理達と一緒ですねーっ。」

祐一「一年生でも、舞はいっこ上のおばちゃんだけどな。」


「・・・じゃあ、佐祐理もおばちゃん。」

祐一「・・・・ごめんなさい。」


佐祐理「あははーっ」


西谷「あはは・・・あ、照り焼きおいしいですね。」

祐一「よし、俺もブリ一個もらおう・・・って無いし。」


「・・・ブリおいしい。」

こんな光景が、気にならないはずがない。
執行部の連中の中には、かなりこっちを気にし出す者も出始めた。
 
 
 
 
 

 

 

自治会1「こういうことなのだよ。困ったことに。」


自治会2「さすがにこう毎日続くとね。執行部員の士気にも、影響が出てくるんだよ。」


自治会3「現に我々は既に、新入りを一人事実上切り捨てるまでになってしまった。」

自治会1「恥ずかしい話だが・・・・。我々は、これに対抗する有効な策を持ち合わせていないのだ。」


自治会2「もはや、君に頼るしかないんだよ。」

自治会1「これまでのいくつかの非礼は、素直に詫びよう。その上で、何とか我々に協力してもらえないかね・・・・?」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祐一「よ、香里。今日はもう帰りか?」


香里「ううん、午後もまだあるわ。」

祐一「そうか。じゃあ、今日こそ一緒に昼食取らないか?」


香里「やっぱり遠慮しておくわ。」


作られた日常は、淡々と続いていった。


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