荒野草途伸ルート >> 荒野草途伸Key系ページ >>リトルバスターズ!KX >>リトバスSS >>勇者佳奈多と百万円の壺 >>第七話

勇者佳奈多と百万円の壷

 

第八話 対話

 
 
 佳奈多たち4人は山を降りた。
「これからどうしようか」
「少し休んだ方がいいんじゃないか? 差し当たり食堂にでも行って座った方がいいだろう」
「そうデスネ。お姉ちゃん、いこ」
 葉留佳が呼びかけたが、佳奈多は話を聞かず、ふらふらと違う方へ歩いて行ってしまった。
「ちょっとちょっと、どこへ行くんデスカお姉ちゃん」
「葉留佳は心配しなくていいのよ」
「…イヤ、そんな意味不明な事言われるとかえって心配になるんですケド」
「こういう想定外のことが起きても大丈夫なように、私はちゃんと準備してきたの。非常事態だし。だから葉留佳も直枝も、何も心配しなくていいの」
「うん、わかったよ。でも僕たちもついて行った方が良さそうだね」
 そう言って、理樹は謙吾に目配せした。謙吾はやれやれといった感じで首を振り、それでも理樹達について行った。
 
 
 
 
「東ローマ帝国を継承したのがロシアだと知ったときのような、何とも言えない顔をしているな」
 放送室。佳奈多達を迎えた唯湖は、いすを勧められてもただ座るだけで惚けたままの佳奈多を見て、そんな台詞を言った。他の3人も何も言わなかった。
「とりあえず事情を聞きたいのだが…。疲れているのなら無理にしゃべらせるのは確かに酷だとは思うが…」
 唯湖は4人の顔を順番に見渡した。佳奈多、理樹、葉留佳、謙吾。あーちゃん先輩に放り出された4人が、狭い放送室の中で雁首をそろえていた。唯湖はため息をついて、そして葉留佳に言った。
「葉留佳君、クドリャフカ君をソ連人呼ばわりしていじめるのはやめた方がいいと言っただろう」
「はるちんそんな事してませんヨ…」
「やっと反応したか」
「何ではるちんにだけそんな意地悪するのデスカ」
「佳奈多君はどう考えてもクドリャフカ君をソ連人呼ばわりしそうにないからな」
 佳奈多は反応しなかった。
「ふむ。佳奈多君のイメージカラーはクリムゾンレッドらしいがこれはソ連の国旗の色でもあるから、佳奈多君もソ連人だな」
 佳奈多は反応しなかった。
「…姉御、もしかしてそのソ連人という言い方気に入ったのですカ?」
「まんざらでもない」
「貴様が呼ばれてるわけでは無いだろう…」
「私もクドリャフカ君のようなプリチーソ連人になりたいのだ」
「自分でプリチーとか言うかこの女…」
 謙吾が呆れたように吐き捨てた。その様子を見て、唯湖は笑みを浮かべてうんうんと頷いた。
「いつもの調子を取り戻してきたようだな。どうだ、そろそろ何があったのか、私にも話してもらえないか?」
 理樹がほうけた顔で聞き返した。
「えっ。来ヶ谷さんはずっとそれを待ってたの?」
「そうだが? 一体なんだと思ってたんだ?」
「中国かぶれの佳奈多さんにソ連の話を持ち出して嫌がらせでもしてるのかな、とか…」
「中国かぶれ?」
「…やめて直枝、あの服の話は…しないで」
 ようやく佳奈多が口を開いた。
「正直何の話かよくわからんな…」
「どうせ二人でコスプレプレイでもしてたんじゃないですカ? ケッ!」
「違うの…いたる先生が…」
「あー」
 しばし気まずい沈黙が流れた。違う話題を探しても頭が回らない、回らないのをいいことに沈黙している。しかし沈黙も飽きて全員が時計の針の音が気になりだした頃、唯湖が動いた。
「どうやら私一人では荷が重いようだな」
 そう言って唯湖は全館放送のスイッチを入れてマイクに向かって話し始めた。
「私は、東の魔王・来ヶ谷唯湖である。今、勇者二木佳奈多が私の元で保護されているが、落ち込んでいて私の手に負えない。誰でもいい、手を貸して欲しい。私は、東の魔王・来ヶ谷唯湖である」
 そう言って唯湖はスイッチを切った。
「…姉御はいつも堂々としてますネ」
「いや、実を言うと結構恥ずかしい。人様に顔向け出来ないな。これでたくさん人が来てしまったらどうしようと思っている」
 
 
 たくさん来てしまった。
「放送室は広くないんだぞ、窮屈では無いか」
「あなたに呼ばれたから来たのではありませんか」
「いや、こんなに呼ぶつもりは無かった…」
「あの二木佳奈多に高値で恩を売りつけられるいい機会だと聞けば、集まる人も多いんじゃない?」
「うむ、どうやら話の趣旨が間違って伝わっているようだ」
「じゃあどういう意味なんですか」
「佳奈多君と愉快な仲間達が大魔王討伐に行ったら凹まされて帰ってきたから事情を聞きたい、という趣旨だが」
「放送の内容と大して違わないじゃ無いですか」
「…違わないと何か問題でもあるのか?」
「放送したのが来ヶ谷唯湖ですし」
「私はどういう人間に見られているんだ…」
 唯湖はちょっと凹んだ。
「要するに。あの例の裏山の騒ぎで一体何があったのか、聞き出したいということですの?」
「まあ、そういうことだ」
「宮沢様、話して下さいませんこと? 私の顔を立てて」
「俺が話さない程度であなたの美しい顔が潰れたりすることは無いでしょう」
 佐々美が黙ってしまったので、古式が交代した。
「話してくれないのなら、私、また屋上に行きます」
「もうそういう事はしないと約束したじゃ無いか」
「神北さんが何をしているのか気になります」
「大したことはしてないと思うが」
「神北さんはよく転ぶので、私も巻き込まれて、屋上から転げ落ちるかもしれません」
「そうならないよう気をつけてくれ」
「神北さんが転ぶのを黙ってみていろと、宮沢さんはそう仰る」
「そうは行ってない…何故そう神北にこだわる」
「真剣白刃取り、私には教えてくれなかった…」
「いや、あれは…」
「だったらせめて、裏山で何があったかくらい教えてくれてもいいじゃないですか!」
「何故そうなる…」
 謙吾は反論出来なくなった。しばらくむずかしい顔をした後、語り始めた。
「まあいいだろう、元々隠すような事じゃない」
「なら最初から話せ」
「長々と説明するのは苦手だ。だから簡潔に説明する。秘密基地…いや魔王の館と言うだったか、その魔王の館が準備中だったから待機していたら冷やし中華が出てきて、だがまずかった。恭介が脱がされて二木は魔王の館に入っていった。理樹とあーちゃん先輩も入っていったが、あーちゃん先輩が二木と理樹を放り出した。よくわからないが、俺も放り出された。ついでに三枝も放り出されたので、4人で山を降りてきた。以上だ」
「え? ちょっと今の説明だとはるちんがかなりついでのおまけポイんですケド」
「葉留佳君はおまけでかまわんが、今の説明では結局事情がよくわからん。理樹少年、君の口から説明してもらえないか」
「うーん。あんまり内容が変わらないと思うけど…。じゃあもう少し前から説明するね。ずっと魔王の館に泊まり込んでたから汗くさいなーと思って、でも鈴の目の前で着替えるのもなんだから入り口に近いところで着替えてたら恭介が社会に対する不満を未消化のまま終わらせても停滞を招くだけだと思うがどうかとか話しかけてきたから着替えながら話してたら、誰かに覗かれた感じがしたから入り口を見てたら突然佳奈多さんが入ってきて」
「やるなあ佳奈多君」
「ち、違うんです! たまたま、ほんとにたまたま直枝が着替えてただけ、というかその最初に覗いたのあーちゃん先輩で、あーちゃん先輩が中を見ろって言うから、私も!!!」
「そんな必死に抗弁しなくても…」
「それで恭介と修羅場になってたのか」
「だからそれは…棗先輩、いえ大魔王棗恭介が、直枝のこといかがわしい目で見るのがいけないんです!」
 一同は一瞬沈黙した。
「…今ここに美魚ちんがいないのが残念デスヨ」
「え? え? 今、私、もしかして変な事言った!?」
「いいや」
「しかし佳奈多君も意外と可愛い考え方をするものだなあ」
「え? ええー!?」
「大丈夫だよ佳奈多さん、僕は恭介のこと大好きだけど、恋人として見てるのは佳奈多さんだけだから」
「と、突然何を言うのよ!」
「え、ごめん。佳奈多さんに余計な心配して欲しくなくて」
「そ、そう。ありがとう」
 佳奈多と理樹がいい感じになったので葉留佳がふくれっ面になった。取りなすように唯湖が話を戻した。
「で、だ。私が聞きたいのは確かにそういう話だが、そこから先何があったのかも一応把握しておきたいんだが」
「うん。恭介が持ち込んだ備品を僕と佳奈多さんとあーちゃん先輩で整理してたら、突然あーちゃん先輩が外に飛び出して、佳奈多さんと僕を外に放り出しちゃった。そのあと謙吾と三枝さんも放り出されたから、仕方なく山を降りた。以上、かな」
「結局謙吾少年が言っていたこととほとんど変わらんな」
「でも実際、その通りなんです」
 落ち着きを取り戻した佳奈多が、目を閉じがちにしながら言った。
「敢えて私から補足するなら…。このまま終わるのはつまらないから、ひっくり返してしまおう。どうもそういう意図みたいです」
「で、ひっくり返されたと」
「ええ。ものの見事に」
「大魔王は?」
「さあ。無事だといいんですけど」
「それは、大魔王が勇者に身の安否を心配されるような状況という事なのか」
「ええ。もう、なにがなにやら」
 佳奈多はまた黙ってしまった。他の3人も、特に葉留佳はそれに同意だとでも言うように同じく黙ってしまった。
「葉留佳君にもわからないのか」
「わからないという程でもないんですケド。ただ、なんか放り出されて仲間外れみたいにされたのがムカつくといいますカ」
「それは、君はお姉さんと一緒にいなさいというせめてもの情けではないのか」
「そういう話なら姉を困らせて楽しむ方もやってみたかったデスヨ!」
「葉留佳…」
「あ、いや…とにかくデスネ、私らの希望も意志も訊かずに、勝手にこういう事されたのがなんか納得行かないというかデスネ」
「そうだ!」
 謙吾が声を張り上げた。
「話が違う…最初に聞いてたのと話が違うんだ…!」
「最初に聞いてた…?」
 佳奈多が訝しげな顔をし、葉留佳と理樹は慌てて腕を振ったりして佳奈多の気を惹こうとした。その間も謙吾は吠え続け、椅子から滑り落ち、地べたに這い蹲るような格好になっていた。
「俺だってあの秘密基地でずっと遊んでいたかった…!」
「いや、今こんな所でそういう事言われるのはさすがに…」
 みんな何も言えなくなってしまった。
「君たちは結局…」
 唯湖が、少し呆れたように言った。
「佳奈多君よりも恭介氏の元にいたかった、と。結局はそういうことか?」
「いや、そういうわけじゃない…と思うよ」
「そもそも私ら追い出したの恭介さんじゃなくてあーちゃん先輩デスシ」
「どっちでもいい。佳奈多君よりも、大魔王…いや今は違うのか、ええと今あちらさんはなんと名乗っているんだ?」
「最高権力者」
「あー、そうか。その、佳奈多君よりも最高権力者の側にいたかったと。そういうことを言いたいのか?」
「そういうことではなくてデスネ…」
「俺はただ、俺の意志が踏みにじられた事に怒っているだけなんだ!」
「人の意志も希望も訊かずに勝手にやらかしてくれた、そういう話か。だがな…まあ私が言えた口ではないが、恭介氏も、佳奈多君も、どちらかというとそういう人間だぞ。そんな人間に君たちはずっとつき従ってきたではないか」
「…私、そんな人間だったんですか?」
「うむ。自覚した前」
 佳奈多はかなり凹んだ。
「大丈夫だよ佳奈多さん、恭介だってやってることだよ」
「あなたの大丈夫の根拠、この場合なんだかすごく腹立たしいわ…」
「ええっ、どうして!?」
「嫉妬でしょ」
「嫉妬に決まってるじゃない」
「直枝さんはそろそろ嫉妬心というものを理解するといいと思います」
「そうなの、佳奈多さん?」
 佳奈多は理樹の問いかけには答えず、代わりに顔を赤くしながら肩を震わせていた。
「直枝君はそういう事直接本人に訊いちゃう人かあ」
 その場にいる殆どが呆れ果てた。反応しなかったのは二人だけだった。謙吾はまだ地べたに這いつくばったままで、葉留佳は不満そうに足をぷらぷらさせていた。
「三枝さんは結局何が不満なんですか?」
 葉留佳は佳奈多の方をちらりと見て、目線を戻してぼそりと呟いた。
「…なんか姉が、当初の目的を見失ってるんじゃないかなー、とか…」
「当初の目的?」
 佳奈多は顔を上げて葉留佳を見た。暫し考えて、そして理樹の方を見ながら言った。
「大魔王棗恭介を倒して直枝を救出する事…よね。でも、直枝はこうして救出出来てるわけだし…大魔王棗恭介もある意味倒されたわけだし…。そう、だから、目的は達成出来てるはずなのよ」
「お給料は? お給料はちゃんと貰ったのですか?」
 初が突然前に出てきて佳奈多に詰め寄った。
「え?」
「壺の代金を弁償するから勇者の仕事を引き受けたのでは無かったのですか?」
「あ、ああ、そうね、そうだったわ。でもそれは、クドリャフカが向こう側にいるし…ちょっとよくわからないわ」
「貰える当てが無いと言う事ですか!?」
「そうかも…。でもどのみちこの仕事だけで壺の代金は払えそうに無いし。それにお金が目的っていうのもなんだか」
「何を言ってるんですかッ!」
 初が声を張り上げた。
「お金を甘く見ないで下さい! あぶく銭ならいざ知らず、真っ当な労働の対価として得た報酬なら、たとえ1円でもきちんと請求して受け取るべきです!」
「え? え、ええ、そうね、ごめんなさい」
「それで? お仕事がちゃんと終わったのに、お給料を受け取る当てが無いと」
「それは問題だな」
 一人の男子生徒が歩み出て初の隣に立った。
「ユニオン山本!」
「労働問題ではこの学校で彼の右に出る者はいないという、あのユニオン山本か!」
「右では無い、奴は伝説の左だ!」
「サウスポーか! 三枝とどっちが強いんだ」
 周囲は騒がしくなった。ユニオン山本と呼ばれた男子生徒はそれを意に介さず、佳奈多に話しかけ始めた。
「給与の未払いは契約不履行にあたりますが、裁判となれば、そもそも相手方に支払う意志が無いのか、意志はあるが支払い能力が無いのか、とかそういった論争になります。後者だと事前交渉もせず裁判に持ち込めば却って不利になりますが、一人で交渉に望むのは難しいですし、労働組合に加入した上で団体交渉というのが一番確実です。弁護士を代理人に立ててもいいのですが、その場合相手方から交渉を拒否される可能性もあります。ですが労働組合との交渉を拒否すれば不当労働行為になり、最終的に訴訟になっても俄然有利になります。あとよく勘違いしてる人がいますが、労働基準監督署は行政警察であって相談所ではないので、行政命令が出るような重大案件でないと取り合ってもらえません。職業安定所ならなおさらです」
「…うん、知ってる」
「二木さんは弁護士志望だったか。これは失礼した」
 ユニオン山本はあっさり引き下がった。
「それで、お金はどうするんです?」
 初は引き下がらなかった。佳奈多は一度深呼吸して、初に答えた。
「今は受け取れない。クドリャフカがあっちにいるし。あーちゃん先輩に捕まってるのか。自分の意志で残ってるのかはわからないけど、どちらにせよ戻ってこないのならこっちから聞きに行くわ。あの秘密基地…魔宮? 最高権力者の公邸? 今は何になるのかしら。なんであれ、あれもちゃんと撤去する。やっぱり有耶無耶にはしておけないもの」
「あーちゃん先輩が邪魔するかもしれませんよ?」
「邪魔するのなら排除します」
「…だ、そうですよ。三枝さん」
 話を振られた葉留佳は、一瞬きょとんとしたが、すぐに初の意図を理解した。
「う、うん。そうだね、ありがと」
「謙吾少年はこれでいいのか…?」
「あ、ああ…」
 謙吾は一瞬惚けていたが、立ち上がって胴着の裾を払いながらいつもの引き締まった顔に戻って、言った。
「あの人に文句を付けに行くという話なら喜んで乗る。俺もちょっと言ってやりたい事があるからな」
「邪魔するなら排除するとは言ったけど文句を付けに行くわけじゃ無いわよ?」
「そうなのか? まあいいか、二木がそういうつもりなら。今のリーダーは…」
 謙吾はちらりと理樹を見た。
「二木でいいんだよな…?」
「うん。佳奈多さんが、今の僕たちのリーダーだよ」
「顔ぶれが違うだけで、なんだか最初に戻ってしまったような気がするわ…」
 佳奈多は軽く溜息をついた。
「初心を取り戻したという事でいいのではなくて?」
「初心ねえ…勇者の敵が大魔王じゃ無くて最高権力者になってるけど、いいのかしら」
「ふむ。では君たちに旗印を授けるとするか」
 唯湖はルーズリーフを1枚取り出して、そこに一言書き込んだ。
「君たちはこれを名乗るといい」
「…はぁ」
「東の魔王からのプレゼントだ」
「そうだね、あの人に対抗するならこれくらいなのってもいいかもね」
 理樹が苦笑しつつも賛同し、葉留佳と謙吾も同意した。佳奈多はやれやれといった表情でルーズリーフを折りたたみ、ポケットにしまった。
「じゃあ、お昼を取ってから出発する事にしましょうか。…ああ、そうだ。皆さん、わざわざ集まって貰ってありがとう」
 佳奈多は集まった生徒達に一礼した。
「お気になさらず。これでもみんな、佳奈多さんの味方ですから」
「裏山組には負けてられないっす!」
「打倒最高権力者!」
 葉留佳が檄を飛ばし、生徒達の士気は無駄に上がっていた。佳奈多はふと、窓から裏山の方を見た。
「大丈夫だよ佳奈多さん。あと少しで終わるよ」
「…そうね」
 佳奈多はそっと理樹の手を握った。最後に残っていた不安を払拭してくれた事へのお礼の意味も込めて。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 次回
 
 装いも新たに、三度裏山に登った勇者佳奈多一行。暴虐の限りを尽くすあーちゃん先輩に、佳奈多の正義は果たして通じるのか。大魔王棗恭介が見せる涙の理由に、葉留佳もまた心打たれるのであった。
 次回 勇者佳奈多と百万円の壺、第九話「姉妹の結束」
 
 
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