佳奈多さん、帰宅。
「ままー」
「あらかなたさんおかえりなさい」
「おかあさんおかえりなさいー」
こちらは佳奈多と理樹の娘、理佳と理奈と理多。
「ただいま…パパは?」
「いない」
「どこか出かけたの? またコンビニかしら。しょうがないわね、娘を家に残して出かけるなんて…しょうがないわね」
「こんびにはなんでもあるからなあ」
「パパの真似しないの…」
「ままあそぼー」
「今帰ってきたばかりだから…」
「じゃあすぐできるのー」
「すぐ出来るのって?」
「うさちゃんやってー」
「うさちゃん!」
「うさちゃんやって!」
「…ちょっとそれは」
「うさちゃんー…」
「…しょうがないわね、ちょっとだけよ、帰ってこないうちに」
「やったー」
「ほーら。うさちゃんだぞー。ぴょーん。ぴょーん。ぴょーん」
「パパおきたー」
「えっ」
「ぱぱー」
「あ、あなた、なんでいるのっ!」
「いやいやいや、なんでいるのは酷くない?」
「だ、だってっ、出かけたって、あなた、だから、だからっ」
「具合悪くて隣で寝てただけだけど」
「いるなら言いなさいよっ!」
「だから寝てたんだって…そしたら、ぴょーんぴょーんって、佳奈多さんの声が」
佳奈多さん顔真っ赤。
「ママ、かおまっかー」
「おさるさんのまねだー」
「違うわよ! ちょっとあっち行ってなさい!」
「そんな、理佳達に当たらなくても」
「そうよ! あなたが悪いの!」
「ええっ!?」
佳奈多と理樹をよそに娘3人は部屋の隅で遊んでます。
「こんどはママのものまねするー」
「ちゃいていね…ちゃいてい」
「あれは止めなくていいの?」
「うるさいわね! 止めるわよ! …止めるわよ!!」