北川「秋子さまぁ、ピンポンは卓球ですよぉ」
秋子「まあ潤ちゃん。よく来てくれたわね。」
北川「おじゃましちゃってよろしいですか?」
秋子「潤ちゃんはちっとも邪魔じゃないですよ。」
北川「秋子さま、なんて嬉しいお言葉。」
名雪「・・・北川君が家に入ってくる。」
北川「やあなゆちゃん。今日もかわいいね。ほんと君みたいな娘がいると、パパ自慢だよ。」
名雪「・・・・。」
北川「どうしたのかななゆちゃん?箒なんか持って。」
名雪「出ていけ。」
北川「え、なんだって?detake?そんな単語あったっけ?オレ今日の英語の時間寝てたからなあ」
名雪「北川君に娘呼ばわりされたくないよ!もう家に来ないで!お母さんに近づかないで!!!」
ばしばしばし
北川「い、いたい!痛いよなゆちゃん」
秋子「あらあらどうしましょうどうしましょう」
名雪「なゆちゃんなんて馴れ馴れしいんだよ!」
北川「だってなゆちゃんはなゆちゃんじゃないか、お願いだから叩かないで」
名雪「さっさと叩かれたくなかったら出てって!」
北川「解った、今日の所は引き上げるから、もうやめて」
名雪「やめないよ。半径500m外に出るまで、叩き続けるからね。」
北川「そ、そんな、あ、やだやめて」
どさっ
秋子「あら、鞄が落ちましたよ。」
北川「な、なゆちゃん、せめて鞄拾わせて、拾わせて拾わせて〜」
名雪「そんなこと言って家の中に戻るつもりだね。絶対にさせないよ!」
北川「違うって、ほんとに、いや、いや、いたい、いたい、・・・・・」
秋子「・・・結局、鞄置いていってしまいましたね。どうしましょう。明日祐一さんにでも渡してもらおうかしら。」
秋子「でも、潤ちゃんの鞄重そうね。なにが入ってるのかしら。」
ごそごそ
秋子「・・・まあ。インスタントラーメンでいっぱい。どうしたのかしら、こんなに。と言うか、どうして学校にこんな物を。」
秋子「教科書やノートはないのかしら。だめよ潤ちゃん、ちゃんと勉強しなきゃ・・・あら、これはノートね。やっと見つけたわ。」
秋子「数学C?微分積分のことだったかしら。懐かしいわ、私チカン積分が大好きだったのよね・・・」
ぱらぱら
ぱたん
秋子「・・なにかしら今の。なんだか、授業のノートじゃなくて、日記のように見えたけど・・・」
祐一「ただいま秋子さん。」
秋子「あら祐一さんお帰りなさい。ちょっと訊いていいかしら?」
祐一「な、なんですか?!俺が人目を忍んで密かにモヤシ育ててる件ですか?」
秋子「・・・そうなんですか?」
祐一「しまった墓穴掘ったあ!」
秋子「その件は後で追求しますね♪今訊きたいのは、祐一さんの授業のことです。」
祐一「な、なんですか?!俺が『オノマトペってえっちな響きですね』っていって教室中に大爆笑された件ですか?」
秋子「・・・・まあ。」
祐一「しまったまた墓穴掘った?!」
秋子「それも後で追求します♪今訊きたいのは、現国じゃなくて、数Cのことです。」
祐一「な、なんですか?!俺が・・・いや自分で言うとまた墓穴掘りそうだ」
秋子「数学Cって、日記なんですか?」
祐一「は?」
秋子「だってほら、潤ちゃんの数Cのノート。日記ですよね、これ?」
祐一「どれどれ・・・・・」
祐一「ええ。・・・うん、そんなこともあったな。」
北川「るんるるんるるん♪あっきこさま?」
ずどおん
北川「うお、なんだ!いきなりの重力衝撃で目の前真っ暗!これはもしかして地球最後の日?!」
名雪「ふふふ北川君、無様だね。」
北川「その声はなゆちゃん。いったいなにがおこったんだい、僕らの地球はどうなってしまったんだい?」
名雪「地球はなんともないよ。でも北川君は、私の掘った落とし穴に落ちたんだよ。」
北川「なァんだそうだったのか。そうと解ればここから出て・・・結構深いね。」
名雪「わたし、一生懸命掘ったんだよ。北川君がここに来るって解った瞬間から、ずっと。」
北川「はっはっはそうなのか。でもパパは、こんな歓迎のされ方はあまり好きじゃ無いなあ。ところで、一人で出られそうにないから手を貸してくれないかい?」
名雪「もうお母さんに近づかないって約束したら、貸してもいいよ。」
北川「はっはっは、なゆちゃんは冗談が好きだなあ。そんな約束できるわけ無いじゃないか。」
名雪「それじゃ仕方ないね。生き埋めの刑だよ。」
北川「そ、そんな!なんでそうなるの。」
名雪「おかあさんに言い寄るからだよ。」
北川「だ、だって・・・!とにっく、生き埋めなんてひどい、ひどすぎるよ、それにそんなことしたら、なゆちゃん犯罪者だよ?娘が犯罪を犯すなんて、パパ悲しいよ。」
名雪「それもそうだね。じゃあ助けてあげたあと、道の真ん中でヤンバルクイナの真似したら、許してあげるよ。」
北川「や、ヤンバルクイナの真似ってどうやるんだ?」
名雪「そんなの自分で考えてよ。いやだったら生き埋めだからね。」
北川「わ、わかった、やってみる。」
うんしょ
名雪「さあ北川君、ヤンバルクイナやってよ。」
北川「う、うん。コケーッココケーッココケコッコーッコ」
名雪「それじゃにわとりだよ!もっとまじめにやってよ!」
北川「ま、まじめにったって・・・こんなのまじめにやるものじゃ・・」
名雪「出来ないんだったらまた穴に突き落とすよ。」
北川「わ、わかった・・とりあえず鳴き声わかんないから、エサつつく真似でもするよ」
コツコツン
「まああのこったら、道の真ん中でなにやってるのかしら。」
「はずかしいわねえ。」
「最近の若い子のする事って、解らないわねえ。」
「親はさぞかし嘆いているでしょうねえ。」
「学校に連絡した方がいいかしら?それとも福祉事務所かしら。」
「カウンセラーの人も大変よねえ。」
う、ううう・・
北川「な、なゆちゃん、オレもう恥ずかしいから、やめてもいい?」
あれ、いない・・・
北川「ど、どこいったんだよ!なゆちゃん!一人にしないで!我が娘よ!かみんぐひあばっくごーほーむ!」
「ちょ、ちょっと、何か叫びだしたわよ。」
「まずいわね、関わらない方がいいわよ。」
「でも、暴れ出したらもっと厄介なことになるわよ。」
「警察呼びましょ警察。」
うーうーうーうーうー
秋子「・・・そういえば、近所にパトカーが来て、騒ぎになってたことあったわね。」
祐一「パトカーってこんな事で出動してくれるものなんですか?!」
秋子「さあ。でも、このあと潤ちゃんどうなっちゃったのかしら。」
北川「おっはよー、マイクラスメイツ!」
「あ、北川君だ。」
「昨日逮捕されたって噂だけど、もう出てきたのかしら。」
祐一「よ、北川。もうおつとめ果たしたのか?」
北川「え、おつとめ?全く相沢はいやらしいなあ、そういう事にばかり興味もって。でも残念だったな、オレも秋子さまも純愛派だから、二人の間にはまだそういうことは無いのさ。」
祐一「・・・なに言ってんだお前?」
北川「おっはよーなゆちゃん。きのうはひどいじゃないか、いきなりいなくなったりして。オレ、パトカーに連れ去られて、すごく恥ずかしかったんだぜ。」
名雪「なんのことだかわからないよ。」
北川「はっはっは、なゆちゃんは忘れっぽいなあ。まあいいや、それがなゆちゃんの魅力でもあるし。」
名雪「・・・・・・・・・・・・・・。」
香里「あ、相沢君!食堂で朝食食べてこない!」
祐一「そ、そうだな!俺朝走ってきたから腹減ってるんだ!」
北川「ど、どうしたのかななゆちゃあん。なんか怖い顔してるけど。」
名雪「・・・忘れっぽいのが魅力ってどういう意味だよ。」
北川「え゛?!い、いや、それは、単なる言葉の綾、綾だよ、綾綾。」
名雪「言葉の綾って何だよ。そんなわけわかんない言い方でごまかされないよ。」
北川「そ、それは・・・あ、なゆちゃん、なんか距離が縮まってきてるんですけど?」
名雪「これから北川君を蹴るんだよ。離れてたら蹴れないからね。」
北川「そ、そんな蹴るだなんて物騒な。」
名雪「そう、嫌なんだ。わたしに蹴られるのが、そんなに嫌なんだ。」
北川「嫌です。」
名雪「だったら、とぉってもはずかしい新幹線音頭を踊ったら、許してあげるよ。」
北川「し、新幹線音頭なんてオレ知らないんすけど」
名雪「じゃあ仕方ないね、蹴るよ。」
北川「わ、わかった、オレ新幹線音頭知らないから自分で考えて踊るけど、それでもいい?」
名雪「特別に許してあげるよ。」
北川「助かった・・・」
名雪「早く踊ってよ!」
北川「は、はい!」
すうっ
北川「新・幹・線!」
(以降、書いてる方が恥ずかしくなるので省略)
北川「ぷあーん、ぷあーん、ぷああーん!」
北川「・・・はあ、はあ、終わったよなゆちゃん・・・」
名雪「恥ずかしくなかったから蹴るね。」
北川「ま、待ってよ!今オレ、すごく恥ずかしかったんだぜ?」
名雪「わたしはちぃっとも恥ずかしくなかったよ。」
北川「オレは恥ずかしかったんだってば!」
名雪「・・・誰が北川君を基準にしろって言ったんだよ。」
北川「え?」
名雪「北川君が恥ずかしいかどうかなんて関係ないの。わたしが恥ずかしいかどうかってつもりで言ったんだよ。」
北川「え、そ、そんな・・・いやでも、今のは誰が見たって恥ずかしい踊り・・・」
名雪「じゃあ、みんなに訊いてみる?」
「いやあ、俺は今のは、恥ずかしくなかったなあ」
「むしろ楽しかったよな。」
「あんな楽しい踊りみれてラッキーって感じ。」
「北川君に、こんな人を楽しませる才能があったなんて。」
「見直したわよ。」
北川「見直さなくていいから、恥ずかしいって言ってくれよお!」
名雪「往生際が悪いね。みんな楽しいって言ってるんだよ。素直に喜んだらどうなの。」
北川「だ、だって!」
名雪「蹴るよ。」
北川「や、やだ・・・」
名雪「そういう約束だからね。北川君は約束は守るもんね。」
北川「い、いやあ??!」
秋子「・・・祐一さん、潤ちゃんを見捨てたんですか?」
祐一「い、いやそれは、あのとき俺、腹減ってたし」
秋子「・・・・。」
祐一「いやほんとですって、ほんとに腹減ってたんですよ。」
秋子「・・・・。」
祐一「ほんとですってば!」
名雪「祐一っ、一緒に帰ろうよっ」
祐一「あ、ごめん。今日俺舞とデートなんだ。」
名雪「・・・川澄先輩と?」
祐一「そういうこと。じゃっ」
名雪「祐一・・わたしとはデートしてくれないのに・・・」
祐一「そんなこと言われたって。俺これ以上六又がけとか天下の浮気男とか言われたくないからな。」
名雪「だったらわたし一人に絞ってよ・・・」
祐一「俺は今日は舞とデートしたいの!」
名雪「ひどいよ祐一・・・。わたし7年も待ってたのに・・・・」
祐一「舞は10年待ったんだぞ。」
名雪「がーん!」
祐一「そういうことだから、俺いくな。」
名雪「・・う、・・・うっうっ」
北川「なゆちゃん。泣きたかったら、パパの胸で泣いていいんだぜ。」
名雪「・・・・・・北川君の所為だよ。」
北川「え?」
名雪「北川君の所為で、祐一わたしから離れちゃったんだよ。どうしてくれるんだよ。」
北川「ちょ、ちょっと待ってよなゆちゃん、何を根拠にそんな」
名雪「根拠なんかいらないよ。北川君の所為なんだよ。」
北川「そんなむちゃくちゃな!」
名雪「おしおき、だよ。」
北川「いやです、やめてください、痛いのいやです。」
名雪「だったら、テレビ塔を階段で10往復の刑だよ。」
北川「て、テレビ塔って、どこの?札幌?」
名雪「テレビ塔って言ったら名古屋栄のテレビ塔に決まってるよ!」
北川「そ、そうなの?」
名雪「30分以内だよ。」
北川「さ、30分以内って、名古屋テレビ塔って180mもあるじゃないですか・・・」
名雪「展望台までなら90mだよ。楽勝だよ。入場料もいらないよ。」
北川「で、でも。今から名古屋行って戻ってしてたら、明日になっちゃうよ。オレ実は出席日数やばいし」
名雪「何言ってるんだよ。30分以内で済ませるんだから、夕飯にだって間に合うよ。」
北川「え、ちょっと、30分って、名古屋までの往復時間も含むの?!」
名雪「当然だよ。」
北川「・・・勘弁してください。」
名雪「じゃあおなかにピカチュウ描いて両足縛って窓から吊して晒し者だよ。校庭からよく見えるよ。すごく恥ずかしいと思うよ。」
北川「・・・。」
名雪「でも仕方ないよね。言いつけ守れない北川君が悪いんだよね。」
北川「うっうっうっ・・・・」
秋子「・・・祐一さん、舞ちゃんが好きなんですか?」
祐一「え?!な、なんですかいきなり・・・」
秋子「答えてくださいません?」
祐一「そ、そんなの、・・だめです答えられません。」
秋子「・・・・・・まあ。はっきりしてくださらないと困るんですけど。」
祐一「い、いや、待ってくださいよ、勘弁してくださいよ、俺、こういうのは、ちょっと、」
香里「雨、ね。」
北川「雨はいいね。オレの心の汚れた部分を、すっかり洗い流してくれるようだ。」
祐一「え?じゃあ北川、心が全部流されちゃうのか!」
名雪「雨は、いやだよ。」
北川「そうだね、雨はいやだね。」
香里「さっきと言ってること違う!」
名雪「こんな日は、すごく憂鬱だよ。うっぷん晴らししたいよ。」
祐一「か、香里!次の時間って地理じゃなかったか!」
香里「そ、そうね!国際バギ星人協会発行の三面図法地球全図もってこなきゃ!相沢君手伝って!」
祐一「よしきた!」
北川「どうしたんだ二人ともあわてて。なあ、なゆちゃん。」
名雪「わたし、今機嫌悪いよ。」
北川「うん、今聞いた。」
名雪「だから、北川君殴っても、許されるよね?」
北川「え?」
名雪「殴るね。」
北川「ま、待ってください、ダメです、殴っちゃいけません。」
名雪「どうして?」
北川「オレを殴ると、瓢箪からスルメがでてくるからだ。」
名雪「よくも嘘ついたね。」
北川「何で嘘だってわかったの!」
名雪「わたし今、嘘つかれてすごく傷ついたよ。どうしてくれるの。」
北川「どうしてくれるのって・・・・あ、殴るのダメ、禁止。」
名雪「じゃあ、裸で校庭3周の刑だよ。」
北川「そ、そんな・・・あの、オレ昨日裸で吊されて、それでちょっと風邪気味で・・・今日雨降ってるじゃないですか、寒いから勘弁してください」
名雪「そう。じゃあ、職員室7周に減らしてあげるよ。」
北川「増えとるじゃなかとですかっ!」
名雪「何言ってるんだよ。うちの学校の校庭は一周300mあるんだよ。職員室なんて、大きく廻っても一周100mもないよ。200mも減らしてもらって文句言うなんて、どういうつもりなんだよ。」
北川「あの、その、距離の問題ではなく、・・・」
名雪「なんなんだよ。」
北川「その、オレ、恥ずかしいです、そういうの・・・」
名雪「じゃあ、殴られた方がいいんだね。」
北川「そそれはそのあの」
秋子「・・潤ちゃん、結局どっちを選んだのかしら。」
祐一「裸で職員室巡回して、怒られたらしいですよ。」
秋子「まあ。」
祐一「俺だったら、殴られるほう選ぶけどなあ・・・・」
秋子「あら、祐一さんって、そういう趣味なんですか?」
祐一「え?い、いや違いますよ、そういう意味じゃなくて」
秋子「まああ・・・・・・」
祐一「だから違いますってば!」
秋子「あら。珍しくタイトルが名雪じゃないんですね。」
祐一「いやでも、この事件って・・・」
佐祐理「耳ふ〜」
北川「はふん!」
佐祐理「あははーっ、北川さん、気持ちよかったですかあ?」
北川「い、いきなり何するんですか!」
佐祐理「耳ふーですよ。」
北川「そ、それはわかりますが」
佐祐理「じゃ、そういうことで。いきまーす」
北川「って、何おもむろに取り出したるそれは、名前は知らないけどトイレに置いてあるあのスッポンスッポンする伝説の最終兵器じゃないですか!」
佐祐理「そうですよ。これでスッポンスッポンさせてくれるんですよね。」
北川「させてくれる・・・・って、まさか、その対象ってオレ?」
佐祐理「そうですよ。」
北川「やめてください・・・・」
佐祐理「ふえ?耳ふーしてあげたのに・・・」
北川「何で耳ふーくらいでスッポンスッポンされなならんのですか」
佐祐理「はえ?だって北川さんって、耳ふー一回で好きなだけスッポンスッポンさせてくれるって聞いたから、耳ふーしたんですけど・・・」
北川「念のために訊くけど、誰に聞いたんです?」
佐祐理「祐一さん。」
北川「やっぱり・・・」
佐祐理「あははーっ、それじゃ、行きますよーっ。」
北川「い、いやだあ!」
ばしっ
佐祐理「ふ、ふえ?」
北川「なゆちゃん・・・」
名雪「学校の備品をそんなことに使ったらいけないんだよ。」
佐祐理「ふえ・・そ、そうですね、・・・・」
北川「なゆちゃん・・・ありがとう助けてくれて。やっぱり君は、パパのこと」
名雪「北川君。こんなとこで何油売ってるんだよ。」
北川「え?オレ別に石油会社に就職する気は」
名雪「祐一が見つからないから探してきてって言ってあったでしょ!」
佐祐理「ふえ?祐一さんなら、屋上で舞とラブラブしてますよ。」
名雪「・・・・・。」
北川「全く、いつものことながら、飽きない奴らだな。」
名雪「北川君。どうしてくれるの。」
北川「全く。いつものことながら、どうしてオレの所為にするかな。」
名雪「何言ってるんだよ。北川君がさっさと祐一見つけてれば、屋上でラブラブなんてことにならなかったんだよ。」
佐祐理「あ、それは言えますね。ラブラブしだしたの、ついさっきですから。」
北川「そんなこと言ったって、見つからなかったんだから・・・」
名雪「理由はどうあれおしおきだよ。」
北川「やはりとは思うけど、一応いやだと言っておきます。」
名雪「仕方ないね。それじゃ、天才クイズで天才賞取ったら許してあげてもいいよ。」
北川「またそんな中京ローカルネタ出して・・・」
名雪「いやなんだね。」
北川「い、いやじゃないです!天才賞取ってきます!ついでに参加賞の敷島の食パンも貰ってきます!」
佐祐理「ふえ?でも、天才クイズって、小学生でないと出場できないんじゃなかったですかあ?」
名雪「そうだね。」
北川「え?だったら、天才賞取るなんて絶対無理じゃん!」
名雪「残念だったね。」
北川「その残念賞で勘弁してください・・・」
名雪「勘弁しないよ。佐祐理さん、北川君スッポンスッポンしていいよ。」
佐祐理「え、いいんですか?やったあ」
北川「え、やだ、やだ、やだ、」
すっぽんすっぽんすっぽん・・・・
祐一「天才クイズか・・・懐かしいな・・・」
秋子「祐一さん、やっぱり舞ちゃんのことが好きなんですね。」
祐一「え?しまった蒸し返された!」
秋子「うふふ、ゆっくり聞かせてもらえるかしら。」
祐一「え、あ、あの、いやそれより、ほら、この日記の内容、問題じゃないですか、ほら、名雪、北川のことこんなにいじめて」
秋子「まあ。そういえばそうね。」
祐一「ほら。毎日日記に付けるくらい、辛いんですよ、あいつ、うん、これは問題だ。」
秋子「・・・名雪に一言言った方が良いかしら。」
祐一「ええ、そうですよ、絶対そうするべきですよ、あ、俺、今日宿題多いので、これで失礼、あ、このノートは、明日俺が北川に渡しておきます、それじゃ。」
秋子「ええ。お願いね。」
翌日。
祐一「う、腹が・・・」
名雪「祐一、どうしたの?!遅刻するよ・・・」
祐一「は、腹が痛いんだ・・・」
名雪「え?どうしたの?何か悪いものでも食べたの?」
祐一「そういえば・・・昨日学校の帰りに、ヤクート自治共和国風博多馬骨ラーメン喰ったんだ・・・」
名雪「ヤクート自治共和国ってサハ共和国のこと?・・・って、どうしてそんなわけわかんないもの食べたんだよ!」
祐一「ちょっと言えない・・・」
名雪「とにかく、今日は休んだ方が良いね・・。」
祐一「い、いや・・休むわけにはいかない・・・北川に渡さなければいけない物があるんだ・・・」
名雪「北川君に・・?」
祐一「そうなんだ。だから、這ってでも行かないと・・・」
名雪「祐一。わたしが渡しておくよ。」
祐一「そ、そうか、すまん・・・・って、いや、これは名雪が渡すわけには・・・」
名雪「え、どうして?」
祐一「と、とにかく駄目なんだ、う、ぐ、おなかのダンス・・・」
名雪「やっぱり休むべきだよ。ね。ちゃんと北川君に渡すから。捨てたりしないよ?」
祐一「・・・・わかった。俺の鞄に入ってる、数Cのノートだ・・・。」
名雪「これだね。」
祐一「・・・名雪。絶対、中見ないでくれよ・・・・」
名雪「? うん、わかった・・・・」
名雪「そうは言われても、見るなって言われると見たくなっちゃうんだよね・・・何が書いてあるんだろ、男の子の秘密が書いてあったりして、キャー」
ぱらぱらぱら
名雪「・・・・・・・・・・・ふうん、そういうこと・・・・・」
名雪「北川君、おはよう。」
北川「おはようなゆちゃん。どうしたんだい、なゆちゃんの方から挨拶してくれるなんて。」
名雪「なんでもないよ。それより、祐一からこれ預かってるんだよ。」
北川「あ、これは・・・・!い、いや、これ、探してたんだよ。ありがとう・・・」
名雪「・・・・どういたしまして、だよ。」
北川「あの、なゆちゃん・・・つかぬ事をお伺いしますが、このノートの中、見ました・・?」
名雪「さあ?それより北川君、今日祐一お休みなんだよ。」
北川「え、どうしたんだ?」
名雪「なんか、変なもの食べたらしくて、おなか痛いんだって。」
香里「え?!ま、まさか、昨日学校の帰りにあたしが連れてったラーメン屋が原因じゃ・・・!」
名雪「そういうことだから北川君。今日は祐一の席に座ったら?」
北川「え?なんで・・・」
名雪「絶対そうした方が良いよ」(ニヤリ)
北川「・・・・え、遠慮しときます」
名雪「そう。じゃあ仕方ないね。」
北川「なんだったんだろうな・・って、あれ、オレの椅子、どこ行った?」
「あ、なんかさっき、ツインテールの赤い髪の女の子が、椅子一個持ってっちゃったぞ。拾いもんだとか言って喜んでたけど。」
北川「げ、なんだよそれ!作品違うじゃねえか、なんでそういう割り込みしてくるんだよお!しょうがないな、相沢の椅子を・・・」
名雪「北川君。なにしてるんだよ。」
北川「何って、ちょっと相沢の椅子を借りようと・・・」
名雪「北川君。さっき、祐一の席座るのいやだっていったよね・・・?」
北川「え、・・いやしかし、あのときとは状況が・・・それにオレ椅子無いし」
名雪「椅子ならそこにあるよ。」
北川「あ、そうなのか・・・ってこれ、おまるじゃん!」
名雪「そうとも言うね。」
北川「なんでこんな物が学校に・・じゃなくて、オレこんな物に座れないよ!」
名雪「そう。折角わたしが、北川君のためを思って持ってきてあげたのに。そういうこと言うんだね。」
北川「だ、だって、これ、おまるだし・・・アヒルの首まで付いてるし・・・・」
名雪「アヒルじゃなくて白鳥だよ。つくづく北川君は失礼だね。」
北川「そ、そうなのか・・・」
名雪「おしおき、だよ。」
北川「け、結局このオチかよぉ・・・!」