祐一「最近、仕事も落ち着いてきたなあ。」
香里「もうだいぶ資金回収したからね、ちょっと抑えてるの。」
祐一「そうか。いやあ、いつまで続くかと思ったぜ・・・」
香里「おつかれさま。でも、仕事は終わりじゃないのよ?」
祐一「解ってるよ・・。そういえば、北川も、最近なんか始めたらしいな?」
香里「優秀な7人の部下付きでね・・・強力なライバルになるわよ。」
祐一「そんなこと言って。そうやって、また俺のことこき使う気だろ。」
香里「そんなことしないわよ。これからはもっと・・二人の時間を取りたいもの。」
祐一「香里・・・」
北川「ふう、今日もみんな、お疲れさま。」
美汐「おつかれさまでした、会長。」
北川「会長なんてやめてくれよ・・・うちではさ。」
名雪「そうだね。うちに戻ったら、遠慮なんかする必要ないよね。」
栞「では、遠慮無く。北川さーん。」
あゆ「うぐぅ、負けないよっ!北川くんっ!」
佐祐理「あははーっ、『北川さん』だなんて、ずいぶんよそよそしいですねーっ。佐祐理なんかもう、『潤ちゃん』って呼んじゃってますよーっ。」
真琴「えーっ、何それーっ。真琴だってそう呼びたいのがまんしてたのにぃーっ。」
舞「・・・佐祐理、抜け駆け。」
名雪「抜け駆けは良くないよ・・・」
北川「あー、ほら、喧嘩しないで。ほら、スケジュール、スケジュールがあったろ確か?」
栞「そうでした。えっと今日の予定は・・・名雪さんです。」
名雪「やった。ふふふ北川君、じゃなくて潤ちゃん、今夜は寝かさないよ。」
北川「いっつも速攻で寝てるくせに、何言ってるんだよ!」
舞「・・・不仲なら、今夜は交代してもいい。」
名雪「な、何言ってるんだよ!不仲なんかじゃないよ!何いきなり横取りしようとしてるんだよ!」
北川「だからほら、喧嘩しないで・・・」
どぐあぁん!
真琴「な、何の音?」
秋子「あらあらずいぶん賑やかねえ。」
あゆ「あ、秋子さん・・・」
美汐「・・・何しに来たんですか?それと、入るならちゃんと玄関から入ってください。」
秋子「今日は久々に娘の顔を見ようと思って。香里さんに訊いたら、ここだって教えてくださったので。」
名雪「そ、そうなんだ・・・。」
秋子「あら。さっきからいい男がいると思ったら、潤ちゃんじゃない?お久しぶりねえ。」
北川「お、お久しぶりです・・・」
秋子「今日は名雪とゆっくり話をしようと思っていたけど。予定を変更して、潤ちゃんといようかしら。」
名雪「な、何言い出すんだよお母さん!いきなり現れて、壁壊して、その上潤のこと横取りだなんて、非常識にもほどがあるよっ!」
秋子「・・・まあ。名雪も一緒に3人で、と思っていたのに。そんなこと言うの。」
名雪「え?」
秋子「名雪。今からでも遅くないわよ。私と一緒に、来る?」
名雪「・・・・。」
秋子「このままここにいても、7人のうちの一人でしょう?でも私と一緒なら、2人のうちの一人。悪くないでしょ?」
名雪「・・・・。」
栞「名雪さん・・・」
秋子「名雪。」
名雪「わ・・・わたし、やっぱりみんなを裏切れないよっ」
美汐「よく言いました。秋子さん。あなたの思い通りにはなりませんよ。」
あゆ「そうだよっ!大体さっきから聞いてれば、もう潤を連れてくことを前提にしたような言い方して!」
舞「・・・横暴は許さない。」
秋子「・・・まあ。7対1じゃ勝ち目はありませんね。」
真琴「そうよっ!」
秋子「・・じゃあ。せめて、私も仲間に加えてもらえません?」
あゆ「な、なに言い出すんだよこのオバサンは!ふてぶてしいねっ!」
秋子「・・・・。」
名雪「ちょ、ちょっとあゆちゃん・・それとみんなも。あのね、どうしても必要な時以外は、お母さんには逆らわない方が良いと思うんだよ・・・。」
佐祐理「そうですね。あの壁を見れば、そんな気もします・・・。」
美汐「仕方ないですね。じゃあ秋子さん、あなたは8人のうちの一人ということで、よろしいのですね。」
秋子「ええ。それで結構ですよ。」
栞「ふう。予定表組み直さないといけませんね・・・。」
北川「・・・・・・・・・・・・・。」
祐一「まったくよー。香里、子供が出来たんなら、さっさとそう言ってくれよなー。」
香里「だって祐一、子供にかまけて仕事ほったらかしにそうなんだもの。」
祐一「なんだよ、俺がそんな甲斐性なしに見えるか?」
香里「見えるわよ。」
祐一「・・・・。」
香里「あら。あそこにいるの、北川君じゃない?」
祐一「ほんとだ。おーい、北川ぁ!」
北川「・・・・?」
祐一「こっちだ、こっち!」
北川「・・・なんだ。久しぶりだな。」
祐一「ああ、まったくだ。」
香里「北川君、なんかやつれたんじゃない?」
北川「んー、そうか? そうかもな・・・。」
祐一「仕事、忙しいのか?」
北川「ん・・・まあ、そういう事にしておくよ・・・。」
香里「大変ねえ。」
北川「相沢たちこそ。きついんじゃないか、結構。」
祐一「ま、確かにきついな。うん、なんと言っても香里の性格がきつい。」
香里「ちょっと、なによそれ!」
祐一「ほらほら怒らない、お腹に障る障る。」
香里「くっ・・・生まれた後まで覚えてなさいよ・・・」
北川「子供・・・出来たのか?」
祐一「ああ、実はそうなんだよー。へへへ」
北川「ふうん・・。おめでとう・・・と言っていいのか?」
祐一「当然だ。めでたくてハッピーでウキウキハワイ賞って感じだ。」
北川「・・・・。」
祐一「・・・ま、ハワイ賞は余分だが。」
北川「なあ相沢。もし、昔のような・・・女の子に囲まれた生活が戻ってくるとしたら・・・戻るか?」
祐一「んー? いやあ、なんかもう、今更って感じだね。俺今結構幸せだし。」
香里「結構・・・?」
北川「そうか・・。」
香里「祐一、結構ってなに。」
祐一「え?い、いや、訂正。かなり幸せでございます。」
香里「よろしい。」
北川「そうか、幸せか・・・。」
香里「北川君も、幸せになってね。」
祐一「それと・・・・あいつらもな。幸せにしてやってくれ。」
北川「・・・ああ。約束するよ。」
香里「じゃ、あたしたち行くから。」
祐一「今度メシ奢れよな。」
北川「オレがか?」
香里「いいのよ気にしなくて。じゃあね。」
北川「ああ、またな。」
北川「・・・・。」
祐一「なあ香里、教育用に地球儀買おうぜ地球儀。」
香里「今からそんなもの買ってどうするのよ。」
祐一「そうか、まだ早いか・・・。」
香里「でも、・・親子3人で地球儀を見下ろすってのも、いいわね・・・」
祐一「・・・・。」
北川「・・・あいつら、幸せそうだな・・・・」
ハァレム・完