北同太陽派公式ページ開設にあたり

 
 かねてより我々は、「北川排斥派同盟」(以下排斥派)の旗の下、美坂香里と北川潤が何らの理由もなくくっつけられてしまう現状に異議を唱え、その差別的待遇に対する抗議と啓蒙活動を行ってきた。また同時に、北川潤自身に対して不当な差別を加えることに対する疑義から、同盟内で「太陽派」を名乗り、北川潤の地位向上運動にも携わってきた。
 
 時が経ち、排斥派が結成された当初とは、ずいぶん状況が変わった。香里×北川説を採用するSSはずいぶん減り、少なくとも何らかの具体的な理由を書き加えることなく香里と北川をくっつけるものは、殆ど無くなったと言えよう。さらに言えば、我々太陽派独自の主張である「北川の幸せ」にも焦点が当てられ、香里以外の女性と北川を結びつけるSSがいくつか出始めている。かつては存在しなかった「書く自由」が、我々の手に取り戻されている。これは、我々が長い戦いの末勝ち取った た一定の勝利といっても決して過大評価ではないだろう。
 
 だが一方で、世の中の多数派が以前「香里×北川」説支持派であることに代わりはない。この中には、北川が香里以外の女性と結びつくことを嫌い、我々の主張を数の力でもって封殺しようとする反動的勢力が含まれているのも、また事実なのである。もし我々が一時的な勝利に酔い、戦いの手を緩めるようなことがあれば、彼等はここぞとばかりに「香里×北川」がルールであるとの認識を再び世に植え付け、我々の存在を異端であるとして世の中から抹消しようとするであろう。さらには、この主張が貴重な同志である「北川派」の諸氏を惑わし、北川の可能性を矮小な空間の中に封じ込めてしまっている現実が が、我々の前に横たわっているのだ。
 
 また、我々の主張のもう一つの柱である「北川潤の地位向上」に関しては、残念ながらこれは全く以て未達成である。確かに前述のように北川と香里以外の女性を結びつけるSSが出るほど世の中は進歩したと言えるが、それでもまだ、北川の存在が世間から十分に認知されているとは言い難い。北川を主人公としたSSは数多くあるが、その実、北川の真価を引き出したSSと言うのはごく少数である。主人公とは名ばかりで、実態は彼の名誉を損なうものでしかないSSが、堂々と「北川SS」として世に出回っているのが現実なのである。
 さらには、「北川は汚れ役である」という、信じられない意見を唱えるものまでいる始末である。このような者には、貴殿は本当にKanonをやったのかと疑義を投げかけたくなるところである。が、同時に、このような者がいるという事実は、世間が北川に対していかに不当で差別的な扱いをしているかということの、まさに象徴であるのだ。
 
 我々は、このような状況を改め、打ち倒す責務を負う。それは、これが単なる北川潤というキャラクターの擁護運動にとどまらず、今世界全体を覆っている内向きで縮退的な思考に対する挑戦でもあるからだ。我々の運動は、本当に小さな運動である。だが、我々はこの運動が、歴史において文明の対抗に抗った一つの波として数えられることを期待し、今ここに新たなる運動の一歩を築く。そして、旧来排斥派内の一派として動いてきた太陽派を、正式に一つの集団として確立する事をここに宣言する。その名称を「真北川同盟太陽政策派」(略称「北同太陽派」)とし、以下に掲げる二つの命題を以て、閉鎖的な世の中に、革新の疾風を巻き起こすことを誓う次第である。
 
一つ、北川潤と美坂香里を結びつけることを、絶対に許さない。
一つ、北川潤の名誉を損ない、その可能性を押し込めるような真似を絶対に許さない。
 
 文明の光よ、永遠(とわ)に続け。その光よ、美坂香里に当たれ。そして。大いなる光よ、北川潤に降り注げ
 
 
2001年9月15日
荒野 草途伸
 
 
 
戻る