荒野草途伸ルート >> 荒野草途伸Key系ページ >>AIYAR >>AIRSS >>iみちる
 21世紀初頭。時と空間の世紀と呼ばれるであろうこの時代の初めに、常に時代の最先端をつかもうとする、一人の少女の姿があった。
 
美凪「・・・ビバIT時代。」
 
 
 

iみちる

 
 
 
 
美凪「ということで、今度のみちるはインターネット対応です。」
 
みちる「うううう・・・」
 
観鈴「なんか、泣いてない?」
 
美凪「・・・そんなこと無いです。」
 
往人「ところで、今度って・・・みちるっていくつもバージョンがあるのか?!」
 
美凪「・・・野暮なこと訊いちゃだめです。みちるだって年頃の女の子なんだから、訊かれたくないこといっぱいいっぱいあります。」
 
往人「年頃だったのか・・・」
 
観鈴「じゃあ、『インターネット対応』っていう部分も、つっこんじゃだめなとこなのかな?」
 
美凪「ノンノン。そこは是非、つっこんでいただきたいところです。」
 
往人「じゃあ」
 
ぶしっ
 
みちる「ふごおぉっ!」
 
観鈴「わ。鼻の穴につっこんでどうするの。」
 
往人「いや、ここで一つボケておかないとだめかな、と。」
 
美凪「山田さん、お米券全部持ってって。」
 
観鈴「山田さんって誰?!」
 
美凪「そんなことより。インターネット対応みちるについて、そろそろ説明していいですか?」
 
往人「・・・ああ。好きにしてくれ。」
 
美凪「では説明しましょう。このみちるは、型式番号をM530iといいます」
 
観鈴「わ、意外とまとも。」
 
往人「まともなのか?!」
 
美凪「ちなみに530と言うのはいわゆるゴミ0運動の530です。」
 
往人「なるほどな。こいつ、ゴミ拾いが趣味だし。」
 
みちる「そんな趣味はないぞおっ!」
 
がすっ
 
往人「う、・・が、・・・朝食べたガイアナ協同共和国風牛スジニョクマム煮込みが・・・」
 
美凪「M530iが今までのみちると違う点としましては」
 
往人「・・つっこんでくれよ・・・」
 
みちる「オッケー」
 
がすがすがすっ
 
往人「がはっ・・・お前はつっこまなくていい・・・」
 
美凪「なんと言ってもインターネット接続可能と言うことですね。」
 
観鈴「インターネット!と言うことは、小泉総理にウイルスメール送ったり、アメリカ国防総省に36時間連続ハッキングができたりするのかな」
 
美凪「・・・あなたのインターネットに対する認識というのは、そういうものなのですか・・?」
 
観鈴「ダメかな?」
 
美凪「いいえ。・・・ぐっ!」
 
観鈴「にはは、ぐっ!」
 
みちる「んに? ぐっ!」
 
往人「何親指立てあってるんだよ・・・・」
 
美凪「でも、残念ながらM530iにはそういう機能は付いてません。メールとWebが基本です。」
 
観鈴「そうなんだ。まだまだこれからなんだね。」
 
往人「と言うか、メールとWebですら、俺にはどうやってやるのか疑問だぞ・・・」
 
美凪「まあ、わからないんですか。・・・無知無能?」
 
往人「(顔面蒼白)」
 
観鈴「わ、だめだよ遠野さん。その言葉は往人さんには禁句なんだから。」
 
美凪「まあ、そうでした。では往人さん、この優しい美凪お姉さんが、M530iの使い方を懇切丁寧に教えてあげます。」
 
往人「うんっ、おしえておねーちゃん」
 
観鈴「が、がお、もう壊れちゃってる・・・」
 
美凪「では、まずWeb閲覧からやってみましょう。・・・どこかみたいページはありますか?」
 
観鈴「うーん、いきなり言われても、思い浮かばない・・・」
 
美凪「では国際バギ星人協会にしましょう。」
 
みちる「のわっ?! な、何でよりによってそんなとこ?」
 
美凪「いけませんか?」
 
観鈴「うん、私もちょっと、にはは・・・そうだ、今度発表になったKeyの新作CLANNADのページはどうかな」
 
美凪「まあ、なんてことを。あれが発売になったら、AIRは確実に没落してしまうと言われているのに。」
 
観鈴「そ、そうなんだ・・・」
 
美凪「でも、まあいいでしょう。さ、アドレスを入力してください。」
 
観鈴「にゅ、にゅーりょく・・・って、どうやって?」
 
美凪「音声入力でおっけー。」
 
観鈴「音声入力・・・観鈴ちんそれちょっとニガテ。できればキーボードがいいな・・・Keyだし」
 
美凪「・・・そのような前近代的なシロモノはM530iには付いておりません。」
 
観鈴「が、がお・・・Keyって前近代的なんだ・・・」
 
みちる「そういう意味じゃないって・・・」
 
美凪「・・・仕方ありませんね。私が入力してあげましょう。みちる、準備OK?」
 
みちる「え、ちょ、ちょっと待って」
 
美凪「えっちてーてーぺーころんすらっしゅすらっしゅきいどっとびじゅあるあーつどっとじーおーどっとじぇいぺーどっとすらっしゅにゅーそふとすらっしゅ ごー」
 
みちる「ごーって、にょ、にょ、にょわ・・」
 
美凪「いいから。早く出力なさい。」
 
みちる「う、うん・・」
 
観鈴「どうでもいいけど遠野さん、yiが発音出来ないのかな・・・」
 
美凪「ほら、来ましたよ。」
 
みちる「(書き描き書き)」
 
観鈴「え。な、何やってるの?」
 
美凪「何って、Webページを出力中です。」
 
観鈴「しゅ、出力って、手書きでやるんだ・・・・」
 
美凪「音声出力も可能なんですけど、絵が表現出来ませんから。」
 
観鈴「そ、そうだね。・・・にはは」
 
みちる「かけたー!」
 
美凪「どれどれ。」
 
観鈴「え゛。 こ、これってもしかして・・・・・・渚さん?」
 
みちる「んに?そーだよ。」
 
観鈴「が、がお。こんなへたくそな落書きがKeyの公式ページだなんて言ったら、さすがに訴えられちゃうよ・・・」
 
美凪「・・・ですね。もっと練習しましょうね、みちる。」
 
みちる「う、うん・・・」
 
観鈴「え? 遠野さん、何か言った?」
 
美凪「なんでもありません。・・そう、プリンタの調子が悪かっただけだそうです。」
 
観鈴「そ、そうなんだ・・・」
 
美凪「・・・信じてない?」
 
観鈴「え、そ、その、う、ううん、いまいちインターネットって実感がわかないかな、にはは」
 
美凪「そうですか。では、今度は離れたところにいる人に、メールでも出してみましょうか。」
 
観鈴「にはは、メールメール。観鈴ちん、メル友って憧れだったんだ。」
 
美凪「『こんにちは。私は観鈴ちん、メル友になってください。ところで先日、あなたが出会い系サイトに登録していることを知ってしまいました。いえ、別に非難しているわけではないです。あなたもう適齢期過ぎてますから、焦る気持ちはよくわかります。ただ、年齢を偽るのは人としてどうかと思います。いくら何でも18はないと思います。あなたはもう32なんですから、そのあたり自覚してください。それでは、お返事待ってます。』。」
 
観鈴「って、何勝手に入力してるの?!」
 
美凪「・・・あなたに確実にメル友が出来るように、文面を考えてあげたのです。」
 
観鈴「が、がお。そんな失礼な内容送ったら、メル友まで出来無くなっちゃう・・・」
 
美凪「送信。」
 
みちる「いってきまあす!」
 
どぴゅーん
 
観鈴「てちょっと!勝手に送らないで・・・」
 
美凪「・・・大丈夫。相手は知らない人じゃないですから。」
 
観鈴「え?じゃ、じゃあ、誰?」
 
美凪「・・・聖さん。」
 
観鈴「が、がお。余計事態が悪くなった気がする・・・」
 
みちる「みなぎぃ〜!」
 
美凪「あ、もう返事が返ってきたみたいです。さすがインターネット、速いですね。」
 
観鈴「て言うか、聖さんまで一緒・・」
 
美凪「まあ、添付ファイル付き。添付は重いから、あんまりこういう事はして欲しくないんですけどね。」
 
観鈴「が、がお、そういう問題じゃなくて・・・」
 
みちる「美凪、聖怒ってる!」
 
美凪「・・・だそうです、神尾さん。」
 
観鈴「が、がお。何で観鈴ちんに振るかなあ・・・」
 
「神尾さん。あのふざけた伝言を託したのは、君か?」
 
美凪「・・・伝言じゃなくてメールです。」
 
「どっちでもいい!」
 
観鈴「が、がお・・・みすずちんじゃないのに・・・」
 
「・・・そうか。だろうな。君がこんな事をするとは思えんし。」
 
美凪「・・・まあ。えこひいき?」
 
観鈴「よかった、普段からいい子にしてるから、信じてもらえた・・・」
 
「だとすると・・・・」
 
往人「はっ! 往人正常モード、ふっかーつ。」
 
「貴様だな。他人の名をかたってメール出すなんて、最低だぞ。」
 
観鈴「わ、遠野さんとばしていきなり往人さんに絡んでる。これこそえこひいき」
 
往人「唐突に言われて何のことだかわからないが、俺は今ハイテクマスターになって最強状態だから勝ち目はないぞ。」
 
「は?ハイテクマスター?」
 
往人「俺は今、M530iを使いこなして世界を駆け回るクールでハイセンスな男なんだ。」
 
「な、なにを・・・なんだそのM530iというのは」
 
美凪「・・・これです。」
 
みちる「んに・・・」
 
観鈴「インターネット対応みちる、にはは。」
 
「ほほう、そういうことか・・・。するとその、・・・M530iは、JAVAも使えたりするのかな?」
 
美凪「・・・あ。それは見落としてました。美凪ったらうっかりさん。」
 
「そうか。では私が、M530iとやらをJAVA対応にしてやろう。」
 
みちる「え?な、なにするの・・?」
 
「大丈夫だ、ちょっと耳を貸せ。ごしょごしょごしょ・・・」
 
往人「おい待て、M530iに何よからぬ事を吹き込んでいる。」
 
「人聞きの悪いことを言うな。ちょっとJAVAアプリケーションをインストールしていただけではないか。」
 
往人「それだったら、そんなこそこそすること無いだろ!もっと大声でやれよ!」
 
「・・・国崎君。君は、天下の公道でうら若き乙女が大声でJAVAのソースコードを口走っていたら、どう思うかね?」
 
観鈴「そ、それはかなり引くかも・・・」
 
「だろう?」
 
往人「そういう問題かよ・・・だいたいあんた、うら若き乙女なんかじゃないだろ、このホラ吹き大年増が!」
 
「・・・度重なる侮辱、もう許すわけにはいかんな。ミッションスタート!」
 
みちる「にょわあーっ、お許しが出たぞお!」
 
がすがすがすがすがすがすがすがすがすがすがすがす
 
往人「い、いて、いていていて、やめろ、俺が何をしたと!」
 
「新発表の格闘JAVAゲームだ。」
 
美凪「まあ。そういうことなんですか。」
 
観鈴「実体験の格ゲー・・・インターネット技術の進歩ってすごいね、にはは」
 
往人「そおいう問題じゃないだろ!いや、痛い、やめてください、くそお、結局このオチかよお!」
 
 
 
 
おしまい
 

 
あとがき
 
 私はPHS派。

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