霧島聖27歳。彼女の表の姿は、街の迷医として親しまれ、妹と共に暮らすちょっと変わった女医。
だが、その正体は。太陽系第三惑星某所で生まれ育ったコードネ−ムM78を持つスーパーヒロイン、ひじりんセブンだったのだ!
 

<オープニングテーマ>

むねーに つけーてる マークは通天閣

自慢の メスで 八つ裂きだー

光の羽から 佳乃ちゃん救え

来ーたぞー わーれらーのー ひじりんセブン ♪
 

晴子「なんやこれ、セブンとか言っておきながら、ウルトラマンの替え歌やん。うわ、パチモンや、パチモンや」
 

やかましい
 
 

ひじりんセブン

 
 



「今日も街は平和だ・・・」

佳乃「お姉ちゃん、街で人形遣いが暴れてるよ!」

「何!私が平和だと言った途端に、その言葉を否定するかのような所行。ううむ、許すわけには行かぬ、出動だ!」

佳乃「わあい、出動出動♪」
 
 
 

往人「へっへっへー、俺の華麗な人形裁きを見たく無いかい?」

子供「みたくねーよあっかんべー」

往人「ちくしょーくそがきめー、暴れてやる!」

「そこまでだ!」

往人「暴動だ暴動だー、米寄こせー!」

「この世に悪が栄えた試しはない。貴様の、いたいけな子供を捕まえて見たくもない人形劇を見せるとてつもない悪事、空の向こうの翼人が許しても、この霧島聖様が黙っちゃいねぇぜい!」

往人「そーめんはチャンプルーって決まってんだよー!流すんじゃねー!」

「おい、人の話を聞け。」

往人「ラーメンライスってのはラーメンのつゆの中に飯をぶち込んだ物の事じゃ無いのかー!」

「・・・・。」

ひゅっ
とすっ
(一本)

往人「危ないじゃないか。何をする。」

「人のことを無視しておいてその言い草はないだろう。」

往人「何か用か。」

「ふ・・・しらばっくれるのがうまいな。だが、この世に悪が栄えた試しはない。貴様の、いたいけな子供を捕まえて見たくもない人形劇を見せるとてつもない悪事、空の向こうの翼人が許しても、この霧島聖様が黙っちゃいねぇぜい!」

往人「それ、さっきも言ってたな。」

「しっかり聞いてたんじゃないか。」

往人「まあな。」

「まあいい。そういう事だから、これからお主を成敗してくれる。覚悟せよ!」

往人「そうはいくか。ゆけ、俺と十年苦楽を共にしてきた古より伝わる由緒正しきいわれを持つでも見た目は汚くてださい人形名前はチャーミーちゃん!」

チャーミー「オオーン!」

「な、なに、巨大化した!?」

往人「はっはっは、見たかこれが真の法術の力だ。単に焼きそばを焼くだけしか能が無い力と思ったら大間違いだぞ。」

「ふ、ふっふふふ・・・」

往人「な、なにがおかしい。」

「ならば見せてやろう、私の真の姿もな!」

佳乃「きゃー、いよいよお姉ちゃんが変身するよー!」

さっ

通りすがりの爺「おお、メスを天にかざしたぞ!」

通りすがりの婆「おお、巨大化したのう。」

「ふっふっふ、見たかね、これが私の真の姿、ひじりんセブンだ!」

往人「なにぃ、この大年増にこんな恥ずかしい特技があったなんて!」

「恥ずかしいって言うな!恥ずかしくなるだろう!」

つんつん

「ん、なんだ?佳乃か?」

佳乃「お姉ちゃん、『じょわーっ』って言ってないよー」

「いいのだそんなの別に言わなくても」

佳乃「えー、だめだよー。ひじりんセブンに変身したら、ちゃんと『じょわーっ』って言わないとー」

「・・・・・・。」

佳乃「言ってよー。ねー、『じょわーっ』って言ってー♪」

「・・・じょわー

佳乃「えー、聞こえなーい。声ちいさーい。」

「・・・・。」

佳乃「言ってよー、ねー、『じょわーっ』って言ってよー!」

じょわーっ!

往人「ぷっ」

「笑うなーっ!」

往人「いや、今のは間違いなく笑うべき場面だろう。」

「おのれよくもこの私をコケに・・・ゆるさんぞ!」

往人「勝手にこけてんじゃねーかよ」

「問答無用!行くぞ!」

ぴこぴこぴこぴこぴこぴこぴこぴこ

「な、なに!もうそんな時間か?!」

敬介「説明しよう!ひじりんセブンは巨大化すると莫大なエネルギーを消耗するため、3分経ってカラータイマーが鳴ったら、元に戻ってカップラーメンを食べないといけないのだ!」

佳乃「おじさん誰?!」

往人「ふはははは、なさけねーな。ひじりんセブン破れたり!」

「し、しかし、私の計算ではまだ一分程度しか経っていないはずだが・・・」

ポテト「ぴこぴこぴこ」

「・・・・・。」

往人「おお、地球外毛玉。あんたの仲間か?」

「・・・お約束とは思ったが、お前の仕業か」

ポテト「ぴこ?」

「宇宙の果てに失せろぉーっ!」

ポテト「ぴこ〜」

ひゅーん
ぴかーん

佳乃「お姉ちゃん、ピグモンいじめちゃだめ〜!」

「ピグモンなのか?!」

佳乃「えっく・・・えぐっ・・おねえちゃんひどいよお」

「あ、そ、そんな泣かなくても・・・」

往人「(隙あり、行けチャーミーちゃん)」

さっ
すぱーん!

「・・・・・・・。」(絶句)

往人「ふ・・・・決まったな必殺ハリセン拳」

佳乃「ハリセンなのにどうして拳なの?」

敬介「それ以前にハリセンはどこから出てきたんだろうねえ?」

往人「ふあわっはっはぁ、霧島聖、いやひじりんセブン!お前は負けたのだ!おとなしくメシを寄こせ」

「ばかもの!この程度で私が負けるとでも思っておるのか!」

どすどすどすどすどすどす

往人「お、お、お、おわ、わ、危ない、きたねーぞ、踏みつぶそうとするなんて!」

「甘かったな国崎往人、負けたのはお前の方だ。」

でんでろでろりろ でんでろでろりろ

「な、なんだこの音は」

佳乃「あ、時間切れ20秒前の音だね。」

敬介「説明しよう!本来、巨大化という行為はエネルギー消耗量がバカにならない。そのため、ひじりんセブンは3分20秒04しかその大きさを維持できないのだ。カラータイマーが鳴り出したら、すぐに元の大きさに戻らないと、過縮退によってブラックホールと化してしまうのだ!」

佳乃「さっきと時間違うよ?」

「いやまて、カラータイマーの音はもっとかっこよくそれでいて緊張感のある音だったはずだぞ。何故こんなふざけた気の抜けるような音に」

佳乃「あのねえ、私が変えておいたの。どう?気に入った?」

「・・・・。」

佳乃「・・気に入ってないの?」

「い、いやそんなことはないぞ」

佳乃「わあい、お姉ちゃん気に入ってくれたんだあ。じゃあこれからずっと、時間切れの音はそれだね。」

「えらいことになってしまった・・・って、こんな事をしている場合ではない、早く元に戻らなければ!」

ひゅるるるるる

往人「ふはははは、小さくなりやがった。小さくなったお前になら、もしかしたら勝ち目はあるかも知れない。無いかも知れない。あるかないかは、やってみないとわからない。」

「何をぶつぶつ言っておる。まあ良い、佳乃、カップ麺を持て!」

往人「何を悠長な。この期に及んで戦いを放棄する気か?」

「バカな。カップ麺を食えばエネルギー充填が完了して再び巨大化できるのだ。食い終わるまで待て」

往人「なにぃ!そんなの卑怯じゃないか!普通一回の放送時間で変身は一回だろ!だいたい時間枠ってものがあるんだぞ、スポンサーにどう言い訳するつもりだあ!」

敬介「そのスポンサーの要求による設定かもしれないよ」

往人「ちくしょー、商業資本主義のバカヤロー!」

佳乃「まあまあ、折角だから往人君もどう?カップ麺。スポンサーから」

往人「資本主義万歳だな。」
 
 

(只今ヒロイン並びに敵役食事中のため、休戦中)
 

往人「オレ、オレ、ラ王食ったの生まれて初めてっすよ」

「まあ、ラ王は高いからな。」
 

(休戦終わり)
 
 
 

往人「ゆくぞひじりん!」

「望むところだユキト!」

佳乃「お姉ちゃん、その前に背中さすってあげるね」

「げふっ」

往人「・・・ぷっ」

「乙女のゲップ音を聞くんじゃない!」

往人「聞こえちまったもんは仕方が無かろう。大体あんたのような年増を乙女というのは無理があるぞ。」

美凪「そうです、乙女というのは例えば・・・ワタクシのような」

往人「な、なんだ遠野、いつの間に」

敬介「どっから湧いて出たんだろうねえ」

「確かに遠野さんは乙女だ。だがしかし、私だってまだ18なのだから十分乙女だ。」

佳乃「え−っ?!お姉ちゃんは27歳でしょお!とても乙女とは言えないよお。」

「か、佳乃、余計なことを・・・」

往人「ふっふっふ、そうだったのか」

「ええいうるさい、27歳はまだ女盛りなのだ、貴様に笑われる筋合いはないわ!」

往人「ゲップをする女盛り、霧島聖27歳。」

「やかましいぃ!」

だだだだだっ

往人「うお、突進してきた。本気で怒ってるな。」

「国崎往人、覚悟!」

佳乃「あ、50円みっけ」

「か、佳乃、足下でうろうろするんじゃない」

佳乃「お姉ちゃん、50円見つけたから今夜はステーキ。」

美凪「まあ、ステキ。」

「ご、50円ばっかで牛肉は買えん、わ、と、とととと」

ふらふらふらふら

佳乃「あ、でっかい蚊みっけ。手で叩きつぶせそうにないから足で潰すね。」

けりっ

「わっ!」

ずしーん

美凪「・・あらら。民家が潰れてしまいました。」

敬介「説明しよう!巨大化したひじりんセブンは、身長18m体重53tというとてつもない大きさになっている。そのため、ちょっとよろけて転んでぶつかっただけでも、建物は潰れてしまうのだ!」

往人「つーか、身長と体重がえらくアンバランスだな。」

富岡夫人「ちょっと、なにするざます!」

美凪「・・・やまめが海にでたらひめますざます。」

敬介「おやおや、潰された家の人怒ってるねえ。まあ、当然だね。」

「い、いかん。とりあえず退却だ。」

ひゅるるるるるる

富岡夫人「ど、どこ行ったざます?!」

美凪「・・シューベルトのピアノ五重奏曲イ長調はますざます。」

富岡夫人「そこの目つきの悪いあなた、あなたが犯人ね!」

往人「な、なに!俺は無関係・・・ということもないのだが一応無関係ということにしてやってもいい。」

富岡夫人「あなたなのね、どうしてくれるのこの家!」

「しめた。国崎往人が犯人扱いされているうちにずらかるぞ。」

佳乃「あ、お姉ちゃん待って〜」

往人「俺は犯人じゃねえ〜!」
 
 
 
 
 
 

「ふう。何となく酷い目にあった気がするな。」

佳乃「でもでもぉ。今日のお姉ちゃん、かっこよかったよぉ。」

「そ、そうか?」

佳乃「お姉ちゃんはいつでもかっこいいけどね。」

「ふ。まあ、当然だな。」

佳乃「あ、カラスが鳴いてる。」

「おお、もうそんな時間か。」

そら「金魚ぉ〜え〜金魚お♪」

「ふ・・・今日も街の平和は守られた。明日はまた新たな戦いが待っていることだろう。だが、そのときもまた、私は戦う。何故なら、それが私の使命だからな。」
 

行け、ひじりん。戦え、ひじりん。襲いかかる敵は、きっとこれからどんどん手強くなる。それでもひじりんセブンは戦い続けるのだ。そう、君のすぐ側にいる、真の敵に気付くその日まで!

佳乃「今日の夕飯、何?」

「久々に秋刀魚が食いたい。」

佳乃「え〜、佳乃お魚嫌い。」

「・・・・わかった、秋刀魚はやめる。」
 

負けるなひじりん、きっと君にも、明るい未来が用意されている!たぶん!

♪だたた、たーん、たーん、たーん!♪
(バックは夕日)
 
 
 
 
 
 
 

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